まるやまさんの感想、レビュー
まるやま
人の悩みはすべて人間関係に起因している。人にどう思われるかという思考はいわば他人からの評価を強制している自己中心的な考え方であり、他人がどう考えるか、どう行動するかは自分が影響できることでないので割り切ることが必要不可欠。幸せとは自分が他人の役に立っていることを実感することであるが、他人に必要性を感じさせることを強いることはできない(させる必要もない)ので、自分の中で他人貢献を完結させて実感することが必要。アドラー心理学に基づく生き方が出来れば他人からの評価に怯えることなく他人貢献を感じ、幸せに生きられると思うが、実践することがかなり難しい。生きてきた年数の半分の年数がかかると言われているのも納得できる。この考えに背かぬように生きることで、世界はフィルターを通したように輝き、今この瞬間から幸せになれると理解した。哲人と青年の対話方式でアドラー心理学について討論する構成も、哲学・心理学的な学問テイストな内容に反して人間らしさを感じられて読みやすかったのではないだろうか。人間関係に悩むことがあれば何度でも読みなおしたい一冊。
岸見一郎/古賀史健
終始気味が悪い。最初から最後まで答えはないし、どこの世界線の物語なのかわからない。読者に考察させるために敢えて背景は伏せているのか。作者が伝えようとしていることは一体何なのか。信じるものが違えばどんなおかしな理論・常識にも順応する人間の醜悪さを描いているようにも見えない。主人公(?)佐藤の一人称視点で描かれているが、普通ではない気持ちの悪い思考が生来のものなのか環境要因なのかが最後までわからなかった。他人の行動を分析的に観察して気味の悪い解釈をしたり不可解な疑問を持つのは何故なのか。未来の催眠のストーリーも、作中ではずいぶんと"普通"らしい真夏の監督した舞台のストーリーも気味が悪く意味もわからないが、なんとも引き込まれるような、怖いもの見たさを刺激するものであった。読んでいるうちに読者であるこちらも思考が破綻して頭がおかしくなりそう。この作品がなんたるかの1ミリも分からなかったが、何故だか頭に残る印象的で芸術的な作品。
遠野 遥
デヴィ夫人の経験した国際的な社交界でも通用するエレガントで女性らしい振る舞いのマナーが記されている。背筋がすっきりと伸びて堂々とした振る舞いに拍が付く。
ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
『How to win friends and influence people』著者のデール・カーネギー氏が、人間関係を説く講義の際に、それ以前には存在していなかった対人の心構えを説いた教科書である。どんな人とでも良好な関係を築く方法が表題としてまとめてあり、それぞれに具体的な経験談を併記しているため理解しやすい。相手を論破して納得させるなんてことは不可能であり、たとえ相手が間違っていても肯定すること、自分の話ではなく相手の興味あることを相手に話させること、人を褒めて立てること、それを近しい人ほど実践すること、相手との良好な関係性は自己の幸せに直結したことであるので努力を惜しまないこと。万人が回避できない対人方法についてのバイブルと言えよう。定期的に見直して遵従したい書籍。
D・カーネギー/山口 博
美しい。エスキースの鮮やかな色彩が臨場的に表現されており、頭の中で情景や心情が鮮やかに発色する。最後のエピローグでやっと、自立していた短編が線になり繋がって、終盤まで別の短編だと思っていたストーリーは、ブーとレイの人生の軌跡であり、ジャックジャクソンが生み出した水彩画「エスキース」が、ブーとレイに纏わる多種多様なさまざまな人生を見守り、成長していたことを香らせる美しい構成。水のように透き通った文学的表現も鮮やかであった。
青山 美智子
男性向けに書かれている。しっかりと相手と目を合わせたうえで挨拶や言葉を交わすことが大切。相手の得意分野については積極的に質問をして、フィードバックがあると喜ばれる。
野口敏
女性セブンに連載されたエッセイ集。字も大きく、若者に宛てた文ではなかったのかもしれない。内容は「最近の若いもんは…」であったり「私らの若い頃は…」的な部分が多かったが、表現がユニークで面白く、最後まで飽きずに楽しめた。
佐藤 愛子
とんでもなく身なりに無頓着な人ならこの本で勉強になるのかもしれないが、少なくとも大多数の人は自分の着たい服は今までの人生で自論を携えているだろうし、コーディネートをこんな風に勉強する必要がある人がいるのであろうことに衝撃。クローゼットに、普段着ていないが捨てられない服がある場合は収納すべきというハックと、照明の暗い場所に例えばディナーへいく場合は、明るい色のトップスを着ると肌が明るく見えることを学んだ。肝心のクローゼットの法則は数ページ。タイトル詐欺極まりない。
リベラル社
文学的表現に欠ける文章だが、ストーリーに目を離させないような魅力がある。これが是枝監督といったところか。冒頭では仕事人間で勝ち気で、子供2人共を引き取ればいいといった嫌な思考をする人間だという良多の印象だったが、取り違えにまつわる環境変化で、育ての母に関しての思いや家族の在り方についての考えが変わりゆく良多は、その人間臭さから親しみやすく、このストーリーを受け入れやすくなる重要な存在だったと思う。最後には皆で暮らすという打開策をその明解な頭で思考するという終わり方も、まとまりの良い綺麗なハッピーエンドなのではないだろうか。美しすぎるまとめ方ではあったが、原作が映画作品であるならば文学的表現を必要としないという点で納得できる。良多、みどり、慶多、雄大、ゆかり、琉晴。それぞれの経験と心情が適宜一人称視点で描かれて事実に基づいて物語が進展するところが映画の台本ような文章であるにもかかわらず、涙を誘う完璧なストーリーだった。
是枝裕和/佐野晶
明日の光が見えないほどの絶望感に満ちた冒頭は、読んでいるだけで落ち込んでしまうような臨場感と現実感、表現力であった。母に捨てられたことを恨みながら生きていた千鶴は、自分の不幸を全て母のせいにする未熟で浅慮な人間であったが、若年性アルツハイマーを患う母を取り巻く恵真、彩子さん、その娘美保、医師の結城と生活をともにすることで、人間らしく意地汚く成長する様は、猛烈に引き込まれる魅力のある文章であった。彼女らもそれぞれに自分なりの問題を抱えており、母の病気と向き合いながらそれを克服していく様子は、最終的にはすっきりできる起承転結だったと思う。母と千鶴の関係値や他の登場人物の抱える心の問題も、かなり良好に描かれており、明るく希望的な終わりを迎えられてすっきりとまとめられていた。
町田 そのこ
SDGsにもさまざまな分野があり、プラスチックやエネルギー資源の他にも、出生率や自殺率、貧困やジェンダー差別、感染症の根絶など多岐に渡り言及していることを知った。右ページはグラフなどで図示されており、各国のデータなど根拠に基づいた現実的な内容であった。
村上 芽
基礎的で、ルーチン検査で押さえておかなければならない最低限の知識を簡潔に記載している。初心者がエコーをするにあたって必要な知識がこの1冊で大まかに分かる。今はこの本に記載してあることを知りつつも応用できていないが、中堅になった後でも原点回帰として再確認の意味も込めて新たな知見から読めると思う。英略語の語句説明や、レポートの記載方法まで記載あり、持っておいて損はない1冊だった。以下具体的知識を残す。長軸で下行大動脈の上に心嚢液、下に胸水が貯留。カラーゲインは周辺のノイズが出ない最大に設定する。MR(mild)以上ある場合EF〜60%でも壁運動低下である。cp(収縮性心膜炎)=吸気時に静脈環流が増えて右室が拡大するものの、左室への血液環流が増えないために寝室中隔が容量の増えた右室側から左室側へ圧排される現象をseptal bounceと呼ぶ。【guv-yuoj-inpm】
野間 充
基礎的ではあるにも関わらず、他と違う着眼点で興味深い。お金に対する投資脳と消費脳の違いが投資の成否の違いであるという思考論を提示しており、他のありふれた投資マニュアル本とは違った。元本の金額により1000万円の増えるスピードに大差があり、1000万円の壁を超えたところから一気に増加率が上がる。いかに投資脳を維持し、早く目標金額を投資へ回せるかがキーである。
青木 博史
稚拙な文章で文学的表現に乏しい。私が幼い頃に流行った、子供にでも理解できるくだらないケータイ小説のよう。ストーリーもありきたりな悲恋で、意表を突くような展開はゼロ、最初から最後まで全くストーリーに感情移入できない。10代の女の子でもこれを好評するのか否か。作者の芥川なおさんは兼業作家だそうで、本業でなくここまで話題になる書籍を書き上げることは心から尊敬に値するが、この作品がなぜここまでの評価受けているのかは甚だ疑問である。
芥川なお
超ど素人というだけあって、かなり初歩の初歩の内容で、またかなり保守的運用。しかし、イラスト解説も多いため理解しやすく読みやすい内容であった。NISAとiDeCoの使い分けについても資産クラスに分けて具体的に記載しているため、わかりやすかったと思う。
風呂内 亜矢
事故により80分しか記憶がもたない博士と、その家政婦として働く私とその息子ルートの温かくて寂しいお話。前日の記憶はなくなり、毎日が初対面の私とルートに対して、数学を通して美しい繋がりを見出す数学への憧憬と、またルートと私に対する分け隔てない博士の接し方には、記憶がなくなるからこそ人間本来の慈しみに溢れているように思う。毎朝記憶障害の事実を自分のメモで知る博士の悲しみと、その生活や身なりを気にしない博士に対する他人の接し方を読み進めていくことで、私たちが当たり前に思って生きていることへの懐疑を感じずにはいられない。起承転結が大きくあるわけでないのに、深く印象に残るストーリーだった。
小川 洋子
吉良有羽の自死の真相を、美容外科医橘久乃が吉良有羽にまつわる人物に話を聞いて明らかにしていく構成。それぞれの思惑がお互いに悪く影響しあっており、同じ事象でも視点が違えば全く違う話になるいわば現代のネットデマに流されやすい人々を表しているようだった。最後の横網さんとの会話文までが順々に関係しており、最後に全てのことの顛末が露わになる。また母と娘の関係が大きなキーとなっている、湊かなえらしい作品。
湊 かなえ
著者出口治明が、脳出血から社会復帰を果たすに至る思考の限りは、教養の深さと生来のポジティブシンキングによるものだと語る自著伝。過去の踏襲と法則の熟考において、世界で起こった偉人の歴史の出来事を踏まえて、過去ではなく「これからの行動」に重きを置くことの重要さを説いた。
出口 治明
島本理生さんらしい、のらりくらりとした恋愛感の頼りない年上男性との恋愛を描いた。アイコは初恋である飛坂との片側一方通行な恋愛を経て、生まれつきの顔のアザへのコンプレックスや周囲の人間へ抱く心持ちを一新し、また飛坂との失恋さえもを超える強さを手に入れたように思う。アイコの成長が希望的すぎて、恋愛よりも人間的な感情が強く印象に残る。確かにアイコが失恋をしたはずだが、悲恋ではないところが賛否の分かれるところではないだろうか。
島本理生
読みやすいうえ回収も素晴らしい。構成が完璧。ただの出来損ないだった玲斗が、千舟に関わりクスノキの番人として、人間として、成熟していく様子は強烈に読者を惹きつける。非現実的なクスノキのシステムも、現実世界に存在している非現実を描写していて最早現実的だった。当初は謎で荘厳だった千舟の想いは温かく寂しいもので、それを受念した玲斗もそれをしっかりと受け取り、千舟さえも包括する暖かい考えを持てる。今作に出てくる全ての人物の人間臭く暖かいキャラクター性もこの作品の大きな魅力だった。
東野 圭吾
NISA制度について基盤を網羅しながら、具体的に選定基準を列挙し、それを全てクリアした銘柄を9本を列挙。オルカンへの1本積立(ポートフォリオ分散及び時間的分散)を奨励。証券会社から選ぶのでなく、買いたい銘柄がある証券会社を選ぶよう推奨。初歩的ではあるが、長期積立投資での重要なポイントは網羅していた。わかりやすい。
中野 晴啓
源泉徴収のことや相続税のこと、身近ながら全く知識のない大切な税金のことを詳しく解説。
小林 義崇
新NISAについてこの一冊で全て網羅している。読みやすい。
竹川美奈子
絶望作家で知られるフランツカフカであるが、訳し方でかなり印象が左右される。ストーリーで言えば救いようのないバッドエンドで、醜い虫に変わった理由もわからなければ最終的に家族に忌み嫌われて死を選ぶグレゴールは虚しい。たくさんの思惑が交錯しているところが文学なのだろう。訳者あとがきでは、直訳や歴史的変遷など詳しくこの作品及びカフカについて言及しており、カフカの人間像が変人のナルシストで、この変身も原本ではもっと絶望的な言い回しを選択していることもうかがえた。
フランツ・カフカ/川島 隆
子供向け。話し方の要点や聞き方、書き方をレクチャー。児童には根本の教育に、大人には基盤固めになるのではないだろうか。行間が大きいため簡潔で読みやすく、内容も普遍的。
池上 彰/くりた ゆき
ゼロより薄く、読みやすかった。夢を叶えるための日常習慣を、物語に沿って自分でも実践することで、普段の生活の捉え方を変えて、自分を向上させられる。
水野敬也
悲しくて苦しくて美しくて強くて涙が出た。最期には、死にたくないと思うことさえも受け入れて生を全うする。誰しもがいつか必ず直面する"死"を、醜く美しくリアルに描いている。後半にかけて、現実と空想を行き来する雫と同様に、読者もふわふわと振り回されるような描写が素晴らしかった。死ぬことを自覚してから後悔しないように、自分に正直に、かつ周囲を笑顔にできる生き方がしたいものだ。
小川 糸
世代別に例を出して老後資金にまつわる人生設計を行なっていて読みやすい。竹中正治先生は、龍谷大の経済学の先生で、数字的に年金や私的資産を算出しており、理論的に説得力があった。若年期は、最短で3年のドルコスト平均法を活用することで大暴落に備えること出来る。さりとて若年期よりも老年期についての人生100年時代の長生きリスクに対応する資産運用方法を詳しく記載していた。
竹中正治/岩城みずほ
生々しい現代の性的表現には虫唾が走る。正しい愛などなく、それぞれのかたちで愛が存在し人生が存在する。善し悪しはない。金井神父に関わる女性の愛や性的関係を通して感じる感傷を通して、金井神父の謎(亡き妹への愛)に迫る。現代のLGBTへの考えの多様性が色濃く反映。
島本 理生
自分に正直な人生を生きればよかった、働きすぎなければよかった、思い切って自分の気持ちを伝えればよかった、友人と連絡を取り続ければよかった、幸せを諦めなければよかった。終末期の患者のヘルパーの経験を通して著者ブロニーが学んだことを記した本書。お金や物に執着した人はおらず、愛を持って他人に接することが全ての帰着点だと感じた。他人から見ればどんなに不幸な人生でも、本人が幸せだと感じていればそれはもう幸せであり、自分の中の感情や愛情のコントロールが全てだと思う。ブロニーが看取った全ての先人たちに敬愛を。
ブロニー・ウェア/仁木めぐみ
全ての物語が繋がるのがラスト1ページという高度な"湊かなえ作品"だった。最後の回収が余りにも軽薄だったため、今までの登場人物が全て千春が実話を元に記したベストセラーの内容であったことを理解するのに時間を要した。阪神淡路大震災を題材にしており、読み終わりのスッキリ感もなく得たものも無く、かなり難しい作品だった。
独ソ戦におけるソ連赤軍女性狙撃手セラフィマの物語。狙撃手となるきっかけから始まり、精錬な狙撃手になるまで、彼女のあらゆる変化を段階的に描き、彼女を取り巻く環境における悲しみ、苦しみ、信頼、緊張などをドラマチックに激情的に記した。事実の記載を引用しているので、フィクションでありながらノンフィクションのような臨場感があり、戦争を経験した女性たちの異次元の思考を共有できる。戦争という環境に順応し蝕まれてしまった女性達の達観した思考を物語における一種の"落ち"として使用する高度な文学に感嘆した。タイトルの「敵を撃て」に関して、セラフィマにとっての"敵"が単純に母を殺したドイツ兵だけを表すだけでなく、広義的な意味でのドイツ軍全体から女性を侮蔑する自軍兵、もとい最終的に婚約者であるミハイルにまでかかっており、単純なタイトルにも深い意味が隠されている。かなりページ数のある作品だが、どのページにおいてもダレるところがなく、最初から最後までのめり込んだ。マイナス点を挙げるとすれば、一部の仲間を失った悲しみはあるものの、悪い意味でフラグが立っていたというか、感情移入の少ない人物だけが亡くなったように思えた。また、ラストの締め方があまりにも希望的すぎて、中盤が悲惨であったぶん拍子抜けではあった。が、総じてそれをもぶっ飛ばすような素晴らしい作品。強い女性を描いた作品は個人的好みであるので、イリーナ率いる狙撃兵部隊への敬愛の念が絶えない。胸を張って人にお薦めしたい最高の作品。
逢坂 冬馬
一人のありふれた成人男性がガネーシャとバクに出会ってから夢を見つけるまでの過程の物語。誰もが夢を持ったりさらに叶えたりできるわけではないと思うが、ガネーシャが提示した課題に則して生きることで、世界の見え方が変わって今と同じ生き方であっても幸せを感じて生きられるのではないかと思う。
頭の回転を良くするには運動が大事。幸せホルモンドーパミンは、スマホを弄ることで分泌する。脳は進化に追いついていない。集中したり豊かな発想力を育むためには、運動がすべて。
アンデシュ・ハンセン/久山 葉子
投資についてだけでなく、お金を貯める方法(支出を減らす)や稼ぐ方法(収入を増やす)から記載してあり、他とは違う角度でお金について考察しているため興味深かった。保険のことを基礎から書いてあるため、保険の加入を迷っている場合に一助になるだろう。1冊前に読んだ本には、都会ワンルームマンション1部屋の不動産投資が良いと書いていたが、こちらには禁忌として書かれていて、やはりたくさんの意見を取り入れることの不可欠さを痛感した。さすが流行っているだけのこともあり、記載に説得力及び信憑性を感じ、読みやすかった。現実的で、読者に寄り添った書籍だ。
両@リベ大学長
建前しか書かれていない。いわば各投資の基礎だけを浚ったパンフレットのよう。不動産投資について、リスクも低くリターンも少なくない美味しい投資のように感じた。著者によると年収500万円以上かつ勤続3年以上で確実にローンが組めるそうなので、視野に入れていきたいと思う。ただ、一つに特化した内容ではないので、全てについてが初心者用。
武田拓也
話し方は聞き方が9割。話している相手を否定しなければ、相手もあなたを否定しなくなる。拡張話術使って相手に9割喋らせる。簡単、反復、共感、賞賛、質問。苦手な人とは無理に話さない。相手の名前を繰り返し言い、愛される。悪口は、言わない。基本的内容だからこそ普段意識していないことを意識できるようになると思う。一瞬で読める。
永松茂久
ハイレベルだが、株式から投資信託まで幅広くカバー。著名投資家の書籍や言葉に基づいた内容のため、納得しやすかった。論理的な思考から心理バイアスまで幅広く言及しており、一意見に傾倒していないため興味深い。過去10年の米国株式の成長は群を抜いていたが、S&P495だけで見れば日経平均と変わらない結果であったというのには驚いた。GAFAMがこの10年で及ぼした成長率、今後も維持できるかという問いには甚だ疑問である。やはり成長率鑑みるためには、インドなどを含む新興国に目を向ける、すなわち分散投資の必要を説いていた。著者がお勧めする本を最後に羅列してまとめてあり、これだけでも価値があった。
タザキ
今まで読んだ池上彰の書籍の中で群を抜いておもしろかった。最新の現代社会における問題や、過去の日本の経済の経過を分かりやすく記載。考察ではなく事実が述べられているだけなので、偏見のない知見が手に入る。経済学が楽しくなる。
池上 彰/テレビ東京報道局
非常にわかりやすかった。日本の税制や年金のことを、海外とも比較して理解しやすい言葉で陳述。経済についての知識の基盤や日本の状況への理解が進んだ。
池上 彰
心外にも涙した。構成は安直。
わかぎえふ
ほぼ資料集。本当に超基本だが、幅広くお金のことについてカバーしているので、初心に帰って知識の基盤に回帰できた。
泉美智子
事象によって生まれた自分の反応を理解し、鎮める。嫉妬や妬みは自らの中で生まれた幻想に過ぎずその幻想的な反応に惑わされるのは無駄なことで、今ある事実のみをただ真摯に対応する。
草薙龍瞬
言葉では言い表せないほどに素晴らしい作品。読めば読むほどに心が締め付けられた。前半の日常パートにあまりにも起伏がなく、何度も挫折しそうになったが、途中から激しく心を揺さぶられ、読み終えた者だけが得られる苦しさと愛しさ。登場人物が現実的であり、それに対して泉はどこか現実的でないと思っていたが、それも葉山先生と関係を持った際の描写で回収されていて、その構成にも大惚れした。泉の激情の涙で終わるのも美しい。
著者との絶対的な知識基盤の違いに霹靂とする。あまりにも無知であるが故に、何を言っているのか理解に窮する(面白くない)箇所もかなりあるが、総括して勉強になった。世界のことの基礎をこんなにも簡潔に記すのは彼にしかできないことなのかも知れない。
かなり読みやすく、スラスラ読める。が、トリックがかなり安直で、種明かしに対する驚きは薄い。武史のキャラ付けは目立っているので、ドラマや映画映えを考えた作品のように感じた。
東野圭吾
大変初歩的で分かりやすい。広く浅く日本のお金(税金や保険、投資など)のことについて記載。
池上彰
構成に引き込まれる。臨場感あふれる描写に、トラウマになるほどの恐怖を感じた。夢中になって読んでしまう素晴らしい小説。
志駕晃
湊かなえにしては、あらすじには意表を突かれるような突発性はないように感じたが、何しろ人を惹きつける文章の書き方、読みやすさが凄い。同じ出来事に対して母と娘の捉え方の違いや、誰にとって何が既知の情報であったかの組み立てが唯一無二の著者であることに変わり無い。
現代において多数の人が掲げている推し。推しへの関わり方だけをしたためたこの1冊は、過言ではあるがしかし否定できない内容だった。しかし著者の言いたいこと、伝えたいこと、考えが、私には理解できていないのではないかという釈然とした懐疑が残る。著者はこの作品を通して、何を伝えているのか。
宇佐見 りん
FXを理解するには経験値が必須であると確信した。著者のやり方を網羅することは、FXを本格的に始める際にとても役立つ情報だと思う。ただ参入者に対して、FXを楽しいものだと思えるような魅力的な本ではなかったように思えた。
TAKA
世界の見方が変わった。翻訳を挟んでいるからか、表現が複雑で理解が難しい箇所も少なくなかったが、この7つの習慣を志して生きることで、自分のビジョン、見える世界、さらには周囲の人が変わるだろう。中でも第一の習慣が一番感銘を受けた。嫌な気持ちになる出来事があったとして、その否定的な反応を決めたのは自分であるということを自覚する考え、これはこの本に出会わなければ一生気づくことができなかった思想である。この先なにかしら悩みを抱えた時は、この本に立ち返り、もう一度さらに深く、理解し直したい。この先の人生で何度も読むに値する素晴らしい書籍。
スティーブン・R・コヴィー/フランクリン・コヴィー・ジャパン
自分の仕事は専門職なのだと思い知った。当てはまらないことが多い。ミスをミスだと認め、次同じようなことが起こらないように対策することが大事で、時にはツールを使って周囲と共有することが必要。(なんだ、全てやっていることだ。)なかでも、ウサインボルトが9歳の子供にかけっこで負けた時に、ニコニコしていた話が印象的だ。ミスをした場合には、自分の過誤だと認めたほうがかっこいい。
飯野謙次
短編集のため、印象には残りにくい。しかし、登場人物への興味が著しく無い状態にもかかわらず、ストーリーのみで読者を惹きつけられるのは天才としか言う他ない。
悲しくて温かいとても良い作品だった。アンさんのことを思うと、やるせない気持ちに涙が出てくる。キナコの魂の番は自分ではないと思いながら彼女の幸せのために動き、そして死を選ぶ彼の心情は、計り知れないものがある。彼にとっての魂の番はキナコではなかったのか。キナコの魂の番は、愛ではないのか。魂の番とは、何なのか。
取引先も上司もいざとなったら力づくで葬れるという謎の全能感(笑)。自己肯定感も高まり、性格も穏やかになり、タンパク食でダイエット効果もある。筋トレで人生を変える。
Testosterone/久保孝史
読みやすく、また終わり方がとても綺麗。登場人物全員に重大な役割が与えられており、どんな些細なことでも伏線となり華麗に回収してゆく様は見事。2人の少女の口調や思想の書き分けや、同じ事象に対する思考のズレも、しっかりと明示されていて理解しやすい。
湊かなえ
何が起こったのか全くわからない。フィクションとして捉えるべき作品なのか、ノンフィクションとして、出来事を心情の変化として受けとめるべき作品なのかが分からない。登場人物の気持ちの移り変わりがまるで読めない。文学的表現が多用されており、頭の中で再現できないところが多い。一貫して不思議な作品。一方で、すごく頭に残り、いつまでも心情を推察してしまう。
村上 春樹
仏教の教えを見出しごとに見やすくまとめ、生きやすくなるための考え方などを記載。書いてあることは納得できる部分が大半であったが、実際に実践するためのノウハウの記載が足りないように思う。当たり前の綺麗事が並べられており、その考え方になれるようになる術を教えて欲しかった。一つだけ頭を離れない言葉があるので後日追記。怒るというのは、他人への期待を裏切られた時に湧き上がる感情。初めから他人に期待しなければ、その感情は生まれない。
名取芳彦
スキー場を舞台としてさまざまな恋愛模様が描かれるが、登場人物全員が進行形で出会い、関係していく様子をそれぞれの一人称視点で描いた作品。こんな偶然があるものかと思いながらも、どこか他人事ではない人間の下心と単純さに惹かれる作品だった。宏太が桃美について嘘を話していることに対して桃美が看過できなくなるという終わり方が少々パンチに欠けて拍子抜けだったが、ゴンドラで始まりゴンドラで終わるのは構成的に面白かった。日田と桃美のこれからに期待したい。
インデックス投資(先進国や新興国などオールカントリー)と、国内債権のバランスでの投資を奨励。著者の実体験を2002〜2017年に沿って具体的に示しており、リーマンショックでのマイナス50%の損失を事細かに記載。暴落が起こった際、円高の影響を緩衝してくれる役割として国内債権を奨励(例えば20歳なら20%程度度の保持がスタンダード)。このために、年に1度のポートフォリオの見直しを必要とする。日本での具体的な証券会社や、投資の終わらせ方などにも言及しており、かなり実践的な書籍だと感じた。また、東日本大震災を受けて、被災時にはネット銀行は当てにならないため、メガバンクでの預金が必要。
水瀬ケンイチ
インデックス投資信託(著者が激奨するバンガード)に100%の生活余剰金を投資する。市場が暴落することは定期的に起こりうることなので、パニックにならない。アクティブファンドはまず勝てない。引退が近づいたら債権の比率を5:5まで増やす。引き出し率4%(年間支出の25倍の資産貯蓄)となれば経済的に自立したと言える。ドルコスト平均法は、インデックス投資においては無意味であり、むしろ投資に回していない期間が長くなる分マイナスであるという考えは常識を覆すもので驚いた。著者の言い分はすべて過去の統計と理にかなっていて、信頼できるものだと感じた。
ジェイエル・コリンズ/小野 一郎
会社勤めのさやかが行き倒れていたイツキを家に拾い、次第に恋に落ちていく話。甘酸っぱい恋愛と四季折々の野草の生活知識の塩梅がちょうど良く、読みやすかった。シナリオ通りのありきたり話ではなく、読んだ後に心が明るくなるような綺麗なハッピーエンド。
有川浩
資産運用には、増やす運用と守る運用とあり、やり方が違う。資産家の多くは守る運用をしているため、増やしたい人はやり方が違う。増やすための初心者にはFXがわかりやすく簡単だが、どの投資方法もトライ&エラーを繰り返してまず理解することが必要。いきなり大金を入れたり、売り手側の言うことを鵜呑みにすると失敗するので、データの読み方を理解して自分で納得することも必須事項。
投資についてのことを初心者でも分かりやすくかつ詳細に記載。本文も見開きごとに簡潔にまとめられており読みやすかった。投資についての基本的知識がある人でも読む価値がある。海外と日本のそれぞれの環境を知っている著者だからこその本であると思う。
高橋 ダン/向山 勇
自分は自分、他人は他人と線引きし、自分の欠点ばかりを見つける癖をやめる。ミスばかりの自分をそれが自分なんだなと受け入れる。 自分は自己肯定感が低いと思いこの本を手に取ったが、共感できる点が少なかったので、低い方ではないのかもしれない。ただ、周囲の人の素敵なところは、丸々あなたの素敵なところで、人は自分にある長所以外は他人の長所に気付けないという言葉に感銘を受けた。人の良いところを探すことはすなわち、自分を良くしていくことに他ならない。
根本 裕幸
自己犠牲を厭わず他人へ尽くす。他人へ求めることは自分から他人へ。他人が返してくれない時もあるが、神様へのポケットに入ったのだと考える。笑顔は相手も自分も幸せにする。 シスターの言葉を受けとるには私は若すぎるのかもしれない。シスターの考えを全面的に受け入れることは今の私には難しいが、他人への無償の愛を自己犠牲のもと注ぐシスターの真似から始めてみようと思う。
渡辺和子(修道者)
主人公帆高が、離島から東京へ家出して晴れ女ヒナと出会う物語。新海誠の作品は、RADの曲ありき感は否めなかった。音楽で感情や情景を表す作品だと思うので、小説版はやはりインパクトに欠けるように思う。あとがきでの、新海誠本人と野田洋次郎のこの作品への思い入れを見て、主人公の一挙手一投足にも意味があり、感情の機微すべてを考えた深い作品なのだと感嘆した。
新海 誠