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同志少女よ、敵を撃て

同志少女よ、敵を撃て

逢坂 冬馬

早川書房

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作品紹介、あらすじ

独ソ戦、女性だけの狙撃小隊がたどる生と死。驚愕のデビュー作。第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞、2022年本屋大賞受賞

感想やレビュー

ウクライナの報道映像を見て、なぜ町を破壊しつくすのだろうと思っていたけど、なるほど敵の潜伏と反撃を防ぐためかと納得。 本作品を読んでも正直感情移入はできない。フィクションだなと思ってしまう。でも、同じ舞台で今実際に起こっているウクライナの惨劇についても、同じように感じてしまう。 不都合な真実は意識の外に置いておかないと"普通に”生きては行けないのかもしれない。 国籍、民族、性別など言語によって構造化された社会の亀裂を示唆し、不都合な真実へと目を向けさせる良作。

5

どんなに胸が熱くなる内容でも 戦争で胸を熱くするのは 生きた気持ちになるのは 成長した気になるのは 徒労だと思う 現在のウクライナの状況とリンクしてつらい気持ちになった 戦争は絶対にいやだ 改めて思う

2

2022年本屋大賞 戦争はお金儲けになるし、科学技術の革新的な進歩に繋がる そんな側面もある戦争だが、悲しみ、憎しみ、恐怖、孤独、絶対に起こしてはいけない

2

この戦争からまだ100年も経ってないということに驚く。 トップの一言で、戦争が始まり、身内が殺され、その怒り、復讐心により、相手を殺すことに対して罪悪感がなくなっていく。。 負の連鎖。今も戦争があるが、今まで普通に、ただ普通に暮らしていただけの平凡な日常が奪われているのかと思うと、いたたまれない。 武力ではなく、話し合いで解決できないのか。領土を広げること、人を服従させることの何が楽しいのか、何が嬉しいのか、理解に苦しむ。 平和な世界に、子供が何も考えず遊べる世界になることを祈る。

2

現在にも続く、戦争の歴史とそれが背負う人々の思いに目が眩む思いだった。傑作である。

2

音声での小説は二作目ですが、内容もナレーションも声の使い分け、感情の表現方法等違和感全くなく、素晴らしかった。聴きながら何度も涙が流れた。隙間時間も惜しんで聴いて、聴いていない時ですら小説の世界に身を置いていたほど、没入感がすごかった。 最後主人公が戦争で学んだ事を逡巡するが、「命の意味」であることにこの壮大な小説が収斂していく。 作者、ナレーター、この本をこの時期に出版した出版会社に感謝です。大勢の人に読んでいただいたい本です。

2

戦争に味方も敵もない。女性を蔑む国は日本だけじゃなかった。スナイパーの女性、みんなかっこよかった。

1

はじめは細かすぎて読めないと思ったけど、もう最後はいろんな感情が。切迫、感動、とまらない。

1

女性のスナイパーの話。あまり読んだことのないジャンルで面白かった

1

面白かった(⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎) セラフィマ達少女の純粋さ 戦争の残酷さ 第2次世界大戦の少女狙撃兵 純粋さの痛ましさ デビュー作ということに驚き

1

戦争って、どちらか一方が圧倒的に悪いとかない。誰かを主人公にするときは、自分側の正当性が誇張されがちだと思うけれど、この物語はできるだけ客観的に描かれていたのかな、とは思う。時代とか状況とかで物事の価値観は変わるから、何が正しいとか判断できないし、戦争に勝ったからそれで救われるということでもない。 文章自体は読みやすいが、この感情移入のしようがなく何が正しいのかよくわからない混沌とした世界観は、正直読んでいて疲れる。今後の戦争のない世界のためには読んでおいたほうがいい類の話なのかもしれないけれど、できれば見たくないし、蓋をしておきたいような辛いお話だった。

1

独ソ戦におけるソ連赤軍女性狙撃手セラフィマの物語。狙撃手となるきっかけから始まり、精錬な狙撃手になるまで、彼女のあらゆる変化を段階的に描き、彼女を取り巻く環境における悲しみ、苦しみ、信頼、緊張などをドラマチックに激情的に記した。事実の記載を引用しているので、フィクションでありながらノンフィクションのような臨場感があり、戦争を経験した女性たちの異次元の思考を共有できる。戦争という環境に順応し蝕まれてしまった女性達の達観した思考を物語における一種の"落ち"として使用する高度な文学に感嘆した。タイトルの「敵を撃て」に関しても、セラフィマにとっての"敵"が単純に母を殺したドイツ兵だけを表すだけでなく、広義的な意味でのドイツ軍全体から女性を侮蔑する自軍兵、もとい最終的に婚約者であるミハイルまでにかかっており、単純なタイトルにも深い意味が隠されている。かなりページ数のある作品だが、どのページにおいてもダレるところがなく、最初から最後までのめり込んだ。マイナス点を挙げるとすれば、一部の仲間を失った悲しみはあるものの、悪い意味でフラグが立っていたというか、感情移入の少ない人物だけが亡くなったように思えた。また、ラストの締め方があまりにも希望的すぎて、中盤が悲惨であったぶん拍子抜けではあった。が、総じてそれをもぶっ飛ばすような素晴らしい作品である。強い女性を描いた作品は個人的好みであるので、イリーナ率いる狙撃兵部隊への敬愛の念が絶えない。胸を張って人にお薦めしたい最高の作品。

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