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成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく

宮島 未奈

新潮社

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作品紹介、あらすじ

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」中2の夏休み、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出したー。新潮社主催新人賞で史上初の三冠に輝いた、圧巻のデビュー作!

感想やレビュー

宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」読了。 王様のブランチで紹介されてた本。テレビで紹介されると途端に買う気失せる天邪鬼気質&ハードカバーは買わない主義の2つを押しのけてまで読んでみたいと思ってしまったやつ。初めて読む作家さん。最終的に買うのを決めたのは最初の1行。 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」 掴みはバッチリだ。途中でM-1に挑戦する場面も描かれるので、やはりこの作者さんも掴みをわかってるのであろう。しっかり掴まれてしまった。 冒頭は成瀬を見守る幼馴染み島崎の目線で成瀬の生き様が語られる。この島崎がまたなんかいいのである。島崎と同じように成瀬の生涯を見守っていたいと言う気持ちになる。 そう思ってしまうほど、 成瀬が実に魅力的なのである。 「200歳まで生きる」とか「M-1に出る」とか突拍子もないことを言うのだが、実に大真面目なのである。 成瀬はいう 「いろんな種を蒔けば、ひとつでも花が咲くかもしれない」。 島崎はいう「それはホラ吹きである」 でもそのホラの行く末を見たくなっちゃうんだよね。わかるよ島崎。 話は島崎からの視点だけではなく、 いくつかの視点で語られる。 文体が軽快でリズム良く読めるので、 ほぼ一気に読み終わってしまった。 ひとつのいい映画を見終えた感じ。心地よい。

2

今は取り壊された、滋賀県の西武大津店を背景に、青春ストーリー。 実在する高校名もでてきてリアル感があった。オバちゃんが読んでもホロリとする場面もあり良かったです。

1

読み終わる頃には、読者は成瀬あかりのファンになってしまっている、恐ろしい小説。 天才肌だけど憎めない成瀬あかり。 この匙加減に作者の力量が光る。 あかりの友人で、自称凡人の島崎みゆきがこれまた良い味を出している。

1

成瀬は全力で生きてて憧れる。 次は何をやってくれるんだろうと楽しみになる。 「たくさん種を撒けば1つでも咲くかもしれない」っていい言葉で、忘れないでいたいなぁと思った。 舞台が膳所で、ちょっと知ってる場所が出てくるのも楽しかった。

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