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汝、星のごとく

汝、星のごとく

凪良 ゆう

講談社

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作品紹介、あらすじ

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。2023年本屋大賞受賞。

感想やレビュー

櫂と、暁美の絆に、涙😢北原先生の、心の広さも凄い。忘れられない一冊になりました。

3

切なさと同時に強さも感じる。私たちは分かり合えない、しかし、「分かり合えない」ことを「分かって」いたら絶望しない。そして、一瞬でも「分かり会えたら」そこに一抹の希望や生きる喜びがあるはず、という作者のテーマが感じられた。

1

切なく胸がきゅっとする本。 北原先生のような周りに幸せを判断されないでも自分がよければいい、という幸せのものさしはもっていたいな。

ひと組の少年と少女。うだつの上がらない家庭に生まれた二人が、親の手元から離れ、自分の人生を歩もうとする話。冒頭の奇妙な恋人関係として描かれていたものが、終盤になりその意味を変えていく。 毒親からの自立、男女の恋模様、冒頭と終盤の意味の変化など、辻村深月の「傲慢と善良」に通ずる箇所が多々見受けられるので、こちらの作品を受け入れることが出来た人にはおすすめすることが出来る。

10代、20代、30代と歳を重ねるなかで、希望に満ちた出来事が起きれば絶望に貶められる。それらを繰り返しながら誰のために何のためにという目的を見失ってしまっても、最後の最後で自分が何をやりたいか優先し、選べるように自分の足元を固めておくことの重大さを見せつけられた。結局は他人が何と言おうと自分が選んだ道を自分自身だけでも正解だったと言えるように、自分が正解にするしかない。櫂と暁海が紆余曲折という言葉では表しきれない道のりを経て、また巡り会えたこと、北原先生や、母親との関係性、計り知れない想像すらできない無数の人物や事物の絡まりの先に自分の望むものがあるようにするのは自分次第なのだろう。 『幾億光年』という曲がこの小説をもとにかいたのかと感じるほど、櫂と暁海の関係性をうたってるようにとれる。

『流浪の月』でも感じたが、ドロドロと重いテーマをいとも美しく描く達人だなぁ。読みながら苦しいのに止まらない。なんじゃこりゃ! 人に依存せずとも人と助け合って生きる大事を胸に刻むと共に、生き方は自分で決めていいと背中を押してくれる力強さを感じた一冊。

親に荷物を背負わされた男女の物語。この二人を助けようとする2人の大人のセリフや行動が素晴らしい。若い世代はもちろん、親世代にも読んでほしい。作者が伝えたい、生きていくために大事なことを教えてくれる本。

櫂と暁海の恋愛から始まり櫂の作家デビューをきっかけに2人の心は離れていき、狭い島での噂話、母親の呪縛から離れられない暁海と櫂が、心の中では愛し合いながらも結局は別れることを決意しする。暁海は、父の再婚相手から刺繍を学びプロになる。櫂は、仲間のゴシップで作家としてはやれなくなり酒浸りの毎日でガンになってしまう。暁海は、北原先生と結婚するが、最後は櫂を看取る。北原の援助により。 最後まで貫き通す愛と北原の人間愛を描く。

久しぶりに涙かでた。 人はなかなかまっすぐに生きられないものだなと感じる。 例えどんな悪い環境でも、そこから得られるものもあるし、強く願い行動すれば、夢も叶うと思う。

泣きました。この歳で恋愛ものは読まないけどこの本は何故か読んでみたく、読んでみるととまらなかった。親の件も中々うまくいかなかった恋愛も経験してきたからこそ懐かしく歯がゆさも共感し過ぎて泣きました。今年読んだ中で一番良かった本でした。

「汝、星の如く」ではスポットが当てられなかった人にも当てられて、しっかり一人一人が ""生きて"" いることを感じました。 個人的には二階堂さんが物凄く好きで、植木さんのような人が近くにいることに安心感を覚えましたし、現実の人間の辛さとその中の美しさが上手く素晴らしいバランスで描かれるのが凪良ゆう先生の凄く好きなところです。 上手く生きるって難しいし、自分が正しいと信じることをしていても、そこで悩みなく生きるのも不可能に程近い。それでもみんな生きているということを強く感じました。 私もこの作品を通して櫂の書いた「汝、星の如く」を垣間見ることができた気がする。 生き方は人それぞれで、二階堂さんみたいに強く折れないようにしないといけない人もいればまた他も然りだけど、しっかり生きようと思える作品でした。 久々にまた凪良ゆう先生の言葉と考えに触れられて、凄く楽しかった! 汝、星の如くもまた読み返します。 凪良ゆう先生の信念なんだろうけど「人は抱えることのできる荷物の重さが決まっている」という言葉が本当に大好きで、誰しも身軽に生きたいと思いながら社会の中で生きるにあたって荷物を持っている。そんな中現れる「荷物を捨てて身軽に生きる」ことを選んだ人間が好きなんですよね。 荷物を捨てるということは社会の中では物凄く無責任に見えるし、避難されることも少なくないんだけれども、それでも本当に軽やかに楽しそうにしているのを見ていると心が弾む。自分もそちら側に行きたくて、荷物が重くて抱えきれなくなるのも怖くて、でも全てを投げ出すのも怖い。 荷物を捨てた軽やかな彼らが羨ましくて、嫉妬心から非難してしまう物なのかもしれませんね。

読み始めと読み終わりが同じ場面なのに、気持ちが180°変わった。 一つのこと、物事は立場が変われば持っている印象や気持ちが全然違う。  まさに櫂と暁海の会話にでてくる「金星」やなぁと。明けの明星、宵の明星、赤星、夕星。金星の呼び方はこんなにあるのに全部金星のことを指している。 それは人のことでもあるなぁと。誰かを取り巻く噂話や誰かの印象も、人それぞれ全然違う。だから世間や人の目なんて気にしないで生きていけばいいという凪良ゆうさんからのメッセージやなぁと。 櫂と暁海の恋愛には昔の自分を重ねて懐かし気持ちにもなった。ラブラブな時から別れに向かっていく空気感が蘇った。 ラストは悲しくもあるけど、とても清々しい気持ちになった。 小説の世界観にどっぷりハマった作品やった。

10/13読み終わり。 高校生で出会った2人は、共に問題のある母親を抱え、そのせいで高校卒業後一緒になることを断念したんだけど、お互いにずっと心に想ったままそれぞれ漫画家として成功→転落&刺繍作家で成功などの人生を過ごして、6年が過ぎた。櫂は最後には死ぬんだけど、お互い最後には幸せな気持ちだった。みたいな感じ。文章の表現が好きだった。凪良ゆうさんの本は他のも試しに読んでみたい。

ありがちな恋愛ものだが、面白かったかな

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