
正欲
朝井 リョウ
新潮社
作品紹介、あらすじ
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよなー。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。第34回柴田錬三郎賞受賞!
感想やレビュー
性欲 正欲 自分の正義が世の中の正とは限らない…みんなと同じにみんな安心したいだけ ダイバーシティとか人と違って良いって言っててもそれも考える範囲でのこと、その範疇に収まらなければ結局は変人扱いされるんだよなぁ
“多様性”について深く考えさせられる、胸を抉るような小説だった。ヾ(*’O’*)/ 読み応え十分あり! “この物語は手に余る”と述べながらも書かれた、臨床心理士・東畑さんの解説も良かった☆彡
わたしたちは、多分、周りと同じような欲がある。当たり前に性欲もある。しかし、それを当たり前に感じない人がいる。自分にとっての当たり前は本当に他人の当たり前か。 自分にとっていいな、と思っても、相手に取ってはとてつもなく不快であったりする。 多数決が怖くなった本であった。多様性という言葉を安易に使用してはならないと感じた。噂話も怖いと思った。 当たり前とはなんだろう。
ずっと気になっていた本が文庫化され、気合いを入れて手に取りました。 自分が考えうる多様性がいかに狭いか痛感し、安易に多様性という言葉ですませてはいけないと考えさせられました。 朝井リョウさん、凄すぎです。。
救いはない。けど、絶望エンドでもない。 この本を読んで、どう思うか自体が、この物語の世界につながる、自分がどちらの側なのかを感じさせるお話だと思う。
世の中こんな人もいるんやなぁと思った。 マイノリティーについて考えさせられた。
おもしろい流行っているだけはある 多様性について問うてくる本 何者とおなじで上っ面をはがされる感覚
読後感は鬱々するものだった。題材はともかく、自分はマジョリティであると信じて疑わない、図々しい世間や人間に対する羨望や怒り、落胆を、この本では解像度高く言語化してくれて、嬉しかった。
異常性愛者の話。面白いとは言えない、自分好みではない。