らいかさんの感想、レビュー
らいか
やっぱりこのシリーズは面白いなあ。特に今回は大好きな夢野久作のドグラマグラを扱ってることもあり楽しかった。またドグラマグラ読み直そうかな。
三上 延
KADOKAWA
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劉慈欣(リウ・ツーシン)「円」読了。 13編の短編集。 これNetflixにあるブラックミラーみたいにSF短編ドラマとして映像化してもらえないだろうか。全部良い。全部良いぞ。三体でこの作家さんを知ることができてよかった。感想を少しずつ。 「鯨歌」 くじらはうたう。かなしみの歌を。 「地火」 犠牲無くして進化なし。考えさせられる。 「郷村教師」 田舎と超高度な文明の落差がよき。 「繊維」 筒井康隆を感じる短編。なんか懐かしい。 「メッセンジャー」 好き。アインシュタイン。 「カオスの蝶」 バタフライエフェクトこれ映画になるんではないかのレベル。 「詩雲」 神が人を真似て詩を作る。そして思いつく。全ての文字の組み合わせを作れば李白の作った詩を超えたものもその中に含まれる。ただ、感動は検索できない。深い。 「栄光と夢」 かなしい 「円円のシャボン玉」 唯一のハートウォーミング 「二〇一八年四月一日」 SF的エイプリルフール 「月の光」 ゆめかうつつか。 「人生」 胎児よ胎児よなぜおどる 「円」 人間コンピュータ ああ、もっと、もっとこの人の作る物語を読ませてくれ。
劉 慈欣/大森 望
高田大介「図書館の魔女 烏の伝言(つてごと)」下巻。再読了。 またラストを外で読んでしまった。不覚。前回覚えたじゃないか、この本を外で読むと泣いてしまうからやめなさいと。コーヒー屋の通路側にあるカウンターだったから誰にも見られてないはず。たぶん。 ああ、愛すべきキャラクターたち。 剛力達、鼠達、二ザマの面々、そして黒(ハク)... 君たちにまたしばらく会えないと思うととても寂しい。いや、でもまたすぐに会えると思ってるよ。霆ける塔(はたたけるとう)で。 いやほんともうこの図書館の魔女シリーズは、これまでの読書体験の中でもトップクラスに輝く作品。たまらなく魅力的な小説。 そして下巻ではとうとうあの人。 そう、マツリカが登場する。 まってました姐さん!! マツリカとワカンのやり取りはずっとニヤニヤしてしまう。ああおれもマツリカに言われたい「お前、面白いな」と。もちろん手話で。 あと鼠たちも愛おしい。虐げられた生活を強いられながら心の底にある矜持だけは絶対に曲げない。その信念が剛力たちとも二ザマの面子とも揺るがない部分として繋がっていく。もう泣くて。鼠が鍋を食べるシーンでさえ泣いてしまうて。 そしてこの小説のすごいところは新たな知見が得られるというか、目から鱗の体験をさせて貰えるところ。 漢字(小説の中では本字)と仮名のどちらが簡単でどちらが難しいか。言葉の並べ方が上手くできないものにとって、仮名は一字だけでは意味のない言葉だから漢字を分解することによって意味がわからなくなる。だから仮名がわからないやつに漢字なんてわかるわけがないと言うのは思い込み。漢字の方が一字で意味まで表してるものな。驕り高ぶった考え方をしてたわ。ああ、なんという知見、目から鱗ぼろぼろ。 あーあ。また読み終わってしまった。読んでる間は楽しいのに、読み終わると寂しい気持ちになる。まったくもうこの本は。早く次を読ませてくださいな。お願いします。
高田 大介
高田大介「図書館の魔女 烏の伝言(つてごと)」再読了。 大好きな図書館の魔女シリーズ第2弾。たぶんそろそろ第3弾の「霆(はたた)ける塔」が発売されるのではなかろうかとの期待も込めての再読中。 この上巻、初めて読んだときはなかなか文章が頭に入ってこず苦戦したのだが、再読では全くそんなことはなく、すらすらと読めてしまうという前作同様の高田大介マジック。もう舞台設定がわかってるからなのだろうか。 今回は、二ザマの内乱から逃げる姫さまの手引きをする山賤(やまがつ)と呼ばれるものたちが、逃げついた先の港町で陰謀に巻き込まれるお話。 烏の伝言という副題の通り、メインとなるキャラクターはカラスを自在に操る鳥飼のエゴン。その容貌は顔の傷によりふた目と見れない醜悪さ。しかも言葉が使えないため、周りからはカラスとしか話せない愚鈍なものと思われている。 このエゴンと港町で協力者となるカラムのやり取りがとてもとても好きでたまらない。話せないから、顔が醜悪だから、カラスとしか意思疎通できないから愚鈍とは限らない。でもそう思われてもしょうがないという諦め。なんというもどかしさなのだろう。よかったね、エゴン。 そしてカラム。おまえ....かぁっ、言えない。 さあ下巻だ。図書館の魔女シリーズの本領発揮だ。再読だけど読むのが楽しみでしょうがない。だってもう面白いってことがわかってるのだもの!!
澤村伊智「ファミリーランド」。 これ短編集だったのね。全部で6篇。 「コンピューターお義母さん」 「翼の折れた金魚」 「マリッジ・サバイバー」 「サヨナキが飛んだ日」 「今夜宇宙船(ふね)の見える丘に」 「愛を語るより左記の通り執り行おう」 澤村伊智による近未来SF世にも奇妙な物語といったところなのだろうか。現在から100年ぐらい経った未来の話。現在のデジタル社会が100年進んだ世界で社会でわれわれはどういう生活をしているのだろうか。もしかしたらこの6篇は全て現実となってる可能性もある。そう思うと少し怖い。 6篇の中では最後の2篇「今夜宇宙船」と「愛を語るより」が好きだな。あと澤村伊智さんの文章はやっぱ読みやすい。するすると読めてしまうので不思議。
澤村伊智