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星を継ぐもの

星を継ぐもの

ジェームズ・P.ホーガン/池央耿

東京創元社

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感想やレビュー

最初は正直読みにくかったというか、とっつきにくく、話が理解できなかった。5万年前の死体が見つかって謎が謎を呼ぶような展開になって、面白く感じた。最初は本書の舞台がどうなっているかという説明だからだろう。あと、解説でも人物の心理描写の問題点が書かれている通り、心情に陶酔しながら読むタイプの読者にはちょっとつらいものがある。それでも、理詰めでどんどん進んでいく仮説の展開は、思いもしない未来の空想を予感させて楽しい。あと、私達が以下に仮定で進んでいる話を学校で教えられたからと言って信じ込んでいるか、ということが思い知らされる。教えられたことが間違っている、という話ではなく、教えられたことを間違っていないと主張しようとしたとき、その理屈となる背景や論説が自分の中から何も出てこない、つまり、よくわかってないけど、学校で教えられたからそうなんだろう、という思い込みで生きてきたんだと如実に思わされる箇所が多かった。SFは殆ど読んでこなかった人間だが、とても面白かった。続編もあるようなので、読んでみたい。

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ホーガン「星を継ぐもの」読了 言わずと知れたSFの金字塔的作品。なのだが読むのは初めて。なぜなら翻訳本だから。翻訳本が苦手なのはまずは名前。ファーストネームで読んだり愛称になったりとで覚えるのがとても難しい。次に比喩表現が日本と違うから戸惑う。特に会話の中の比喩表現。でもそれを乗り越えて読んで良かった。有名なだけはある。 いやすごい。これはほんとすごい。 何がすごいってこれが描かれたのが1977年ってとこ。前半は翻訳本に慣れてないとこもあって結構読むのに時間かかったのだが、後半はもうほぼ一気。 1977年初版。ホーガンさんごめんなさい。人類はまだ全世界共通になって宇宙探索のため共同技術開発するって時代に至っていないです。まだまだ世界はお互いにいがみ合ってます。 小説の中では2058年には木星探索を行えるようになってるんだが、まだまだ先だなあ。 この小説。SFなのだが、どちらかというと推理小説を読んでるかのような感覚に陥る。 あらすじにも書いているけど冒頭、月で赤い宇宙服を着た謎の宇宙人の遺体が見つかる。チャーリーと名付けられたその遺体がなぜそこにあったのか、そして最も不可解な謎はチャーリーの死体が5万年前だということ。その謎を解いていくのがメインの話だからだ。 しかしその謎解きの加減が抜群だ。 主人公のヴィクターハントがまるでアームチェアディティクティブをしているかのようだ。 そしてもう1人の重要人物ダンチェッカー。シャーロックホームズで行くとワトソンの位置になるのだろうか。反目し合ってたから違うかもしれんが。 SF好きなら一度は読んでおいた方がいい作品かも知れない。面白かった。

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