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流浪の月

流浪の月

凪良 ゆう

東京創元社

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作品紹介、あらすじ

家族ではない、恋人でもないーだけど文だけが、わたしに居場所をくれた。彼と過ごす時間が、この世界で生き続けるためのよりどころになった。それが、わたしたちの運命にどのような変化をもたらすかも知らないままに。それでも文、わたしはあなたのそばにいたいー。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。本屋大賞受賞作。

感想やレビュー

初めての凪良さんの本です。 読み始めてすぐに世界観に引き込まれていって、物語の続きが気になって一気に読み進めました。(電車で読んでいた時には、降りる駅に気付かずに乗り過ごしてしまいました苦笑) 周りは親切のつもりで言っているのに本人にとってはそれが苦痛になることもある、ということを教えてくれ、色々と考える機会となりました。 凄い一冊です。

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自らが普通と思っていることは他人の普通ではない 世の中の多くの物事は両義的で、その一例として優しさの両義性について本作では繊細に、丁寧に繰り返し描写している。

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見方が変わる本。 事実と真実。 ジェンダーへの理解がすすむ世の中は多くの人が息をしやすくなったのかもしれないけど、理解が得られていない人たちはもっともっと息をしづらくなってるのかな。それは、ジェンダーに限らず、いじめも、偏見も同じだなって。ふたりの強さが心に残っています。最後はちょっと急ぎ足な感じがしたけど、クライマックスまでは、ぐっとひきこまれました。映画のふたりも適役な気がする!

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凪良ゆうさんの作品を読むのは、『わたしの美しい庭』に続いて2冊目です。 〈事実と真実はちがう〉〈普通を押し付ける暴力〉など、深く重い内容が描かれていますが、ぐいぐいその世界観に引き込まれていきました(⁠ノ゚⁠0゚⁠)⁠ノ⁠~ 2023年本屋大賞『汝、星のごとく』もぜひ読みたいです! #2020年本屋大賞

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私の人生は、私のものだ。しかし、私ひとりでは生きていくことはできない。これは人生における大きな矛盾であり、ジレンマである。 本作品の主人公は、自分のとった行動について、外から見た事実しか知らない他者から自分勝手な想像をされる。この想像は決して悪意に満ち溢れたものではなく、一般的な考え方や価値観に根付いたものであり、必ずしもその他者を非難することが難しいのである。ニュースから得た情報を元に考えれば、そう考えるのが妥当であるようにも思われるのだが、主人公からすれば大きな勘違いである。この主人公の知る真実と、客観的事実による想像の対立が、主人公やその周りの人物たちを混乱させている。主人公の真実は真実であろうし、他者による評価も一般的な解釈によるもので、その当事者になればどちらの立場にもなりうるのであるが、これが人間関係の難点でもある。 自分の人生は自分の思うように生きていくことは理想であるが、他者なしには人生は歩めない。だからこそ主人公は、他者からの自分への解釈に苦しみ続けていたのだろう。そんな主人公がラストに、自分と自分の大切なものを優先することを選び、他者の考えは他者のもの、という割り切りをしたことは印象的であった。終盤の、「その判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。」という文からは、主人公の決意と未来の進め方が強く感じられ、心に残った。 この世界のどこかで、この登場人物たちが生きている気がする。そんな作品を描いた作者の文章力に感嘆する。

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面白かった!凪良ゆうさんの本を読み漁りたい気分。

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どうなっていくのかと読み進められた。一つの愛の形

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とても良かった。もう一度読みたい。

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すごいお話を読んでしまった 恋とか愛とか関係なく、一緒に居て楽ならそれで良いじゃない 事実と真実は異なるもの、知っているのは本人達だけ 優しさの皮を被った無意識の暴力がしんどくて、読んでる間ずっと胸がチリチリしてた

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映画を見たことがあるので読みやすかったのかもしれないけれど何年か経ってもまた読みたいと思える本でした。 優しさとはなにか考えさせられ、真実とは事実とはなにか考えさせられます。 この著者の他の作品も読んでみたいです。

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表紙がすごい。 伏線回収がほんとにすごい。

孝弘にやられた、って言えばいいのにとすごくイライラしましたが言えないものなのでしょうか。 当事者になったことが無いので気持ちが分かりませんでした。 最後は救われたようで良かった。 大人になった更紗と住んでいるのだから小児愛者ではなかった、と周りは気づかないものなのかな。

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やっと読了。 色々しんどい作品でした

世間的に見たら「誘拐犯とその被害者の子」だけれど、二人の関係性がすごく素敵で憧れさえ抱いてしまいます。サラサが文といるときの自由な感じがとてもかわいらしくて。 ロリコンと性被害者という周りからのレッテルを貼られて生きていく辛さがこの間読んだ朝井リョウさんの「正欲」と重なる部分を感じました。

ひとりぼっちは寂しい 消えないデジタルタトゥー、世間の目、私たちがどういう関係なのか、示す言葉は無い。「判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。わたしたちは、もうそこにはいないので」 警察の冷たい取り調べのシーン、心臓を柔らかく包んで少しずつ血を塞き止められてるような圧迫感だった。はやく解放してくれ、はやく楽にしてくれ、誰かこの真実を知ってくれないか 「そんなものでは、救われてこなかった」 理解なんてできないとは思いながら、誰かを理解しようとして、でも、それが相手との溝を作ることになるかもしれない。そんなことは解っていながら、干渉する。 触れなくても良いものに、触れる。なぜだろう 真実は、当事者にしか解らない。それを公にすることに、なんの意味があるのだろう。 マイノリティは理解されない。理解されなくても良いと思っている人がいたら?理解しなくていいこともあるということを理解したい。

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その事件は偏った見方をされているのではないか?真実は?普通とは?と問いかけられる内容やった。 主人公二人に穏やかな時間がいつまでも続きますようにと願った。

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6/8読み終わり。 重い。クジラと同じで、私はこういう重い題材は苦手なんだと思った。ただ、この映画のキャストまで知らなかったんだけど、広瀬すずちゃんがハマるよなと思ってたらホントに当たってて、びっくり!

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