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らいかさんの感想、レビュー

高田大介「図書館の魔女 第四巻」再読了。 あああああ、読み終わってしまった。読み終わりたく無かった。ずっとこの世界の中にいたかった。 すごい。 ほんとにすごい小説だ。 3巻の終わりのマツリカと二ザマ帝の腹の読み合いの答え合わせから、序盤の地下水路での発掘まで、これまで蒔かれた全ての伏線がどんどん繋がっていく気持ちよさ。 その快感に酔いしれながらの歴史的会合、二ザマ、一ノ谷、アルディシュの三国会談。キリンの弁舌に取り込まれるアルディシュの2人。その小気味良さにコシュート同様ぷわっと鼻息を吹いてしまう。もう読んでいて顔が綻びつつ泣いてしまうというね。 そしてキリンの活躍を見てほっとしたのも束の間、宿敵を追い詰めにいくマツリカ達。それにつきそうオルハン、アキーム、アダン、イズミル、そしてヴァーシャ...。物語序盤でマツリカの水遊びにただの護衛任務として仕えたもの達。キリヒトの宿命と共にマツリカがただの護衛ではない、ひとりひとりが人間であると認識した仲間たち。 その仲間達と激動を共に過ごし我が家へ帰ってきて食べるイラムの作る一杯のスープ。まるでそれを読んでいる自分も一緒に飲んでるかのように身体に染み込む暖かさ。 それ共にその夕餉にまだまだ帰って来れないキリン。これがまた堪らない。ずっとニヤニヤしながらも泣くという訳のわからない感情。 そして最後に一番大事な場面。マツリカとキリヒト。胸が締め付けられる。単純に恋とか愛とか言葉で説明できる感情ではないなにか。言葉にした途端に陳腐なものになってしまいそうな大切な2人の感情。 もう涙が止まらない。 なんという小説なんだろう。 もう一度言う。 すごい。

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