Bookstand
Bookstand
ケーキの切れない非行少年たち

ケーキの切れない非行少年たち

宮口 幸治

新潮社

Amazonで詳細を見る

作品紹介、あらすじ

児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。

感想やレビュー

少年犯罪をする者の多くが知的障害持ちであることを軸に解決策が述べられていた。知的障害について全く知識が無かったがわかりやすく、さらなる研究が必要なことがよくわかった。

3

衝撃的でした。 犯罪を行い、少年院に入った少年の多くが軽度の知的障害を抱えていること。具体的にどういった能力が低いのかも細かく書かれていました。 その子たちは虐められた過去を持つ子も多いとのことで、勉強にもついていけず、人とうまくコミュニケーションもとれず、虐められ、すごく生きづらかったんだろうな…。 発売された当時、結構話題になっていたので気になっていました。 普段こういった本を読まず、苦手なのですが、こちらはとても読みやすかったです。

2

これは傑作です。 まず、内容が分かりやすい。 分かりやすく、非行少年達の状況を説明されている。 軽度知的障害、境界知能の理解が深まった。その理解がなければ、反省できない少年の理解には繋がらない。なぜなら反省以前の問題を彼らは抱えているから。 なぜ犯罪をおかしたのか、彼らはそれが理解できていない。認知の歪みは事実を歪ませてしまう。相手の立場に立つこともできない。そこで、どうして自分のした行動を振り替えることが出来るのだろうか? そんな彼らに必要な学習についても、灯台もと暗し?というくらいに身近なのに新鮮なものだった。 特に感情のペットボトルは、脱帽レベル。 仕事で関わる人たちもまた、ケーキの切れない少年が大人になり、さらに生きづらさを抱えているのだと思う。 この生き方しか知らない。諦め。誰かのせいにして、誰かに依存をして生きていく。 現職にも通ずる社会を理解するための指南本でした。

2

発育障害があるから、安易に犯罪に手を染めてしまい、悪いことをした意識がなく反省に繋がらないこともある。元々の基盤が危ういために起きてる事件も多いと知った。

1

2023年3月6日

簡単ではないけど、知能の低さと環境から、犯罪を犯してしまう子たちが一定数いるということがわかった。自分のやっていることをわからないと反省ができない。同じように考えてしまう人間の性もあると思った。これから犯罪についてもその種類の本を読んでみたい

App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう