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 さんの感想、レビュー

随筆集。 「棋士の中指」で『猫を抱いて象と泳ぐ』を、「バレリーナの爪先」で『掌に眠る舞台』を思い、「ハダカデバネズミの皮膚」で小川さんの作品観をまたひとつ知ることができた。「ボート選手の太もも」ではかつて同僚であったボート選手の体躯が蘇り、自らもボートに乗った時の川面を移動しているのに空を飛んでいるような感覚を思い出す。「カタツムリの殻」では『でんでんむしのかなしみ』に対し綴られる小川さんの言葉に引き寄せられ、「赤ん坊の握りこぶし」では生まれやってきた息子をじっと見つめていた日々を懐かしく思い返した。

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