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始まりの木

始まりの木

夏川 草介

小学館

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作品紹介、あらすじ

藤崎千佳は、国立東々大学文学部で民俗学を学んでいる。指導教官の古屋神寺郎は、足が悪いながらフィールドワークへ出かける、偏屈で優秀な民俗学者だ。古屋は日本中を練り歩きながら、“現代日本人の失ったもの”を問いかけてゆく。「この世界には理屈の通らない不思議な出来事がたくさんある。科学や論理では捉えきれない物事が確かに存在する。そういった事柄を、奇跡という人もいれば運命と呼ぶ人もいる。超常現象という言葉で説明する者もあれば、『神』と名付ける者もある。目に見えること、理屈の通ることだけが、真実ではない」“知”の冒険が、いま始まる。

感想やレビュー

偏屈な助教の古屋と彼の研究室の院生・藤崎がフィールドワークのため全国を旅をする!? 5話あるうち、お気に入りの話は第3話、信州が舞台の表題作ともなっている『始まりの木』(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠) 読後感としては〈解説〉を含めて全体的に少し難しかった。

2

様々な地域を民俗学的な背景もふまえて教えてくれる一冊です。 話としても面白く、勉強にもなり、旅行した気分にもなれる色々とお得な気分になれました。 各話の最後の一文が風情があって素敵です!

1

夏川草介「始まりの木」読了。初めての作家さん。偏屈民俗学者とその助手が日本中を北へ南へ...令和の遠野物語と帯に書かれてたので、大の遠野物語好きとしては読まない手はない。と言うことで読み始めました。 うん、面白かった。面白かったのだが... うーーーん、求めてるのはそうじゃないのだよ。こう、もっと各地にいってその土地の風俗や土着の信仰なんかを調査してその途中に遠野物語のような不思議な事象に出会ったり説話を拾遺したり...みたいなのを期待してたのだが... 。そうじゃなかった。勝手に期待したこちらが悪いのだけどね。だって帯に書いてあるんだもの。令和の遠野物語って。帯って大事だよね。 ということで本作は自分の印象として、どちらかと言うと民俗学はおかずレベル。主食は主人公2人のキャラクターを主軸としたヒューマンドラマだわ。杖をつきながらあちこち旅する偏屈な民俗学者のじいさんと、そのじいさんに魅せられて民俗学に興味を持ったあっけらかんとした性格の女子大生。この2人のキャラはとても魅力的。なので、ヒューマンドラマとしてはとても面白いと思う。現に3回泣かされたし。文体もリズム良くサクサクと読める。そう、充分面白いのだよ充分。変な方に期待してハードル上げちゃったなあ。

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