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まみさんの感想、レビュー

#翼あるもの(1981年発行)#栗本薫 #竹宮惠子 (装丁) #朝日のあたる家(1988-2001年発行 ) 自分の腐歴には栗本薫先生の同性愛小説は外せないです。 昔のJUNE系作品を読んでみたいというフォロワー様に、栗本薫先生が、真っ先に浮かびました。 『翼あるもの』、続編『朝日のあたる家』を云十年ぶりに再読です。 めちゃくちゃ感動したぁー。放心状態。 好きな私でも、ウガァー!ってなる時があるので、おすすめし難いような…。 いやいや、耽美・JUNE系は腐女子の基本中の基本。 ああぁ、島津の旦那と透を語るには、私の語彙力が明らかに足りません。 破滅寸前の独特の雰囲気はシリーズに一貫しています。露骨なシーンよりも、心を触れ合わせることがいかに艶めかしく、エロティックであることか。島津さんと透。透と良。様々な愛の形があります。 おりしも【はじめてのBL展】が5/20から角川武蔵野ミュージアムで開催されます。竹宮惠子先生がプロジェクトリーダーとして50年の歴史をたどる企画。 https://kadcul.com/event/121 栗本薫先生も勿論入っているので、皆さんにも夜明けのJUNE期を知ってほしいです。 個人的には『翼あるもの〜殺意〜』の主人公の森田透の挫折と葛藤の物語が好きです。 『翼あるもの 〜生きながらブルースに葬られ〜』上巻 作曲家の風間37歳の視点から今西良というひとりのアイドルを描いた愛憎劇。芸能界のスターで悪魔的美少年の良の透明感は凄い。 今で言うBLではなく、嫉妬に狂う人間の心理をついた展開。風間さんはシリーズを通して、強烈なキャラです。 上下巻は同じ登場人物と設定で、上巻で今西良を、下巻はその影で消えていった森田透をクローズアップした構成になっています。 『翼あるもの 〜殺意〜』下巻 今西良によってアイドルの座を追われ、男娼になってしまう森田透の物語。この人知れず誰よりも声を殺して泣いた青年は、読者から圧倒的な支持を得ました。 下巻はとにかく色っぽいし…涙腺が崩壊。 どん底の透に手を差し伸べてくれた俳優の巽さんとの蜜月。そして別れ。 しかも巽さんの名誉を守るために、透は天下のTVプロデューサー島津の旦那と野々村に魂を売った。 プライドが高く負けず嫌いで、アバズレのふりをしたって、本当は矜持を捨てきれず繊細で純粋な心を持っている透。 島津の旦那が、もの凄いインテリでサドの変態紳士でありながら、透と気が合いそう。似た者同士傷を舐めあってでも、今は透を支えて欲しいと思った。 透のスピンオフ、続編『朝日のあたる家』につづく。

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