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希望のゆくえ

希望のゆくえ

寺地 はるな

新潮社

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作品紹介、あらすじ

弟が放火犯の疑いがある女と姿を消したらしいと、母から連絡があった。僕は、彼と交流があった人物に会いに行ったが、弟の印象はそれぞれまるで異なっていたー。僕たちの声は、弟に届くのだろうか。人生の「希望」とは何なのか。

感想やレビュー

弟が、放火犯の疑いがある女と一緒に失踪した。兄である誠実は弟と親交のあった人物に話を聞くが、彼らが語る弟の印象は、まるで違うものだった。 印象に残ったフレーズ 「みんな、僕に自分の望みを投影しているだけなんです。良い息子、すてきな彼氏、いい人。どれでもないのに、いつも勝手に押しつけてくる」 「柳瀬希望とは何者か」という、誠実と共に読者が抱いていた疑問の、答えとなる文言だと思う。 結論から言えば、「希望は、何者でもない」。希望自身が、お菓子の箱に自分を喩えて話した、「空っぽ」という表現が言い得て妙だと思った。 読み深めるにつれて、ますます「柳瀬希望」という人物がよく分からなくなった。 それぞれが語る希望は、全く別の、独立した違う人間のように見えた。それは、探偵まがいの高遠によると、「それぞれが自分の見たいものを投影しているから」らしい。 これが、「柳瀬希望」の全てだと思う。 人間とは、自分のほしいものを他人に投影してし弟が、放火犯の疑いがある女と一緒に失踪した。兄である誠実は弟と親交のあった人物に話を聞くが、彼らが語る弟の印象は、まるで違うものだった。 印象に残ったフレーズ 「みんな、僕に自分の望みを投影しているだけなんです。良い息子、すてきな彼氏、いい人。どれでもないのに、いつも勝手に押しつけてくる」 「柳瀬希望とは何者か」という、誠実と共に読者が抱いていた疑問の、答えとなる文言だと思う。 結論から言えば、「希望は、何者でもない」。希望自身が、お菓子の箱に自分を喩えて話した、「空っぽ」という表現が言い得て妙だと思った。 読み深めるにつれて、ますます「柳瀬希望」という人物がよく分からなくなった。 それぞれが語る希望は、全く別の、独立した違う人間のように見えた。それは、探偵まがいの高遠によると、「それぞれが自分の見たいものを投影しているから」らしい。 これが、「柳瀬希望」の全てだと思う。 人間とは、自分のほしいものを他人に投影してしまうものなのだろうか。はっきりとした自分の「核」を持っていない希望は、そういう人たちの恰好の「生贄」だったのだろうか。 寺地はるながこの本で描きたかった「人間の弱さ」は、こういうことなのではないかと、考察した。

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