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わたしの忘れ物

わたしの忘れ物

乾ルカ

東京創元社

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作品紹介、あらすじ

中辻恵麻がH大学生部から無理矢理に紹介された、大型複合商業施設の忘れ物センターー届けられる忘れ物を整理し、引き取りに来る人に対応するーでのアルバイト。引っ込み思案で目立たない、透明なセロファンのような存在の私に、この仕事を紹介したのはなぜ?なぜこんな他愛のない物を引き取りに来るの?忘れ物の品々とその持ち主との出会い、センターのスタッフとの交流の中で、少しずつ心の成長を遂げる恵麻だがー。六つの忘れ物を巡って描かれる、じんわりと心に染みる連作集。

感想やレビュー

物に対して考えさせられる作品。忘れ物という何気ない物にスポットを当てて、その物に対してのいろいろなエピソードを通して生まれるストーリーに引き込まれていく。単なる物も人の気持ちによって宝物にもなるし、ゴミにもなるというのがよく分かる。 忘れ物センターの二人も優しいし、アルバイトを紹介したユウキさんも素晴らしい人達。登場人物の恵麻さんも過去の記憶が甦り、友達の美影さんとの強い絆も感じられて、最後は清々しい気持ちになる。乾ルカさんは、さすがこういうのが上手い。

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