あなたはここにいなくとも
町田 そのこ
新潮社
作品紹介、あらすじ
「おつやのよる」祖母が急逝し、葬儀のために親族が集まる。清陽は祖母に交際相手を紹介できなかったことを悔やむが、原因はその親族にあって…。「くろい穴」美鈴は不倫相手から栗の渋皮煮を作ってほしいと頼まれるが、そもそも食べたいと言っているのは、彼の妻だった。日曜日、ひたすら栗を煮詰めていると…。ままならない人間関係、避けられない別れーもつれた心を解きほぐし、本当の自分を取り戻すための、5つのやさしいレシピ。
感想やレビュー
先を生く人は、奥深い。
もうこの世にはいない祖母、最後まで孫の幸せを願っていた祖母、今ここにいなくても、その想いが届いていく…登場人物たちのままならない人生を、心のわだがりを、少しづつ変えていく短編集。