すだれさんの感想、レビュー
すだれ
激動の時代を生きた一人の才能人の物語。 派手さはなく、ヨーロッパの文芸映画を見たあとのような、しみじみとした後味。
宮内悠介
朝日新聞出版
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門司港のコンビニを舞台にしたシリーズ第二弾。 一巻から引き続き登場する者もいるので、そちらに目を通してから読むのがお薦め。 読んでいて面白かったのは「恋の考察とグランマと」だが、村井美月再登場の「クイーンの失脚」は作者の良さが光る佳作。こういうヒリヒリする女子の世界を描かせると、本当に上手い作家さんだと思う。
町田 そのこ
中国史のダイナミックさは、島口育ちの日本人には捉えきれないところがある。 その中国で、仮初でも天下人になった人物はやはりスケールが違う。 一章が短いので相当駆け足だが、それぞれよくまとまっている。 高校の世界史レベルの基礎知識を持って読むことをお勧めする。
小前 亮
暴力シーンが読んでいてきつかった。 ミステリとしては面白かったのだが。
柚月裕子
パワフルな婆様三人が眩しい時代小説。 コメディ風味だが、底抜けに明るいわけではない。それぞれにしがらみや屈託を抱えながら、死ぬまで自分自身を養っていかなくてはならない三婆さまにはどこか哀感が漂う。 平均寿命が長くなった現代ではお馴染みのテーマだが、江戸時代も案外そんなものなのかもしれない。 物語の展開もコンパクトで無駄がなく、最後も工夫があって良かった。
西條 奈加