Bookstand
Bookstand
夏の祈りは

夏の祈りは

須賀 しのぶ

新潮社

Amazonで詳細を見る

作品紹介、あらすじ

文武両道の県立北園高校にとって、甲子園への道は遠かった。格下の相手に負けた主将香山が立ち尽くした昭和最後の夏。その十年後は、エース葛巻と豪腕宝迫を擁して戦った。女子マネの仕事ぶりが光った年もあった。そして今年、期待されていないハズレ世代がグラウンドに立つ。果たして長年の悲願は叶うのか。先輩から後輩へ託されてきた夢と、それぞれの夏を鮮やかに切り取る青春小説の傑作。

感想やレビュー

旧制中学の流れを汲む、文武両道が校是の地域の名門公立高校。その野球部の歩みを、10年ごとに定点観測して描いた小説。 野球小説としても、青春小説としても、文句無し。 地方名門高校の定点観測小説としては、伊吹有喜さんの傑作『犬がいた季節』などもあるが、そちらに比べると、野球部に絞っている分だけ、逆に高校生を取り巻く環境にもスポットが当てられていて面白い。OB会のしがらみ、卒業生の教員ネットワークなど、名門校、伝統校ならではの地域とのつながりに、わかるわかると頷く人も多いのでは。 第四話と第五話は特に凄みがあった。

App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう