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恋に焦がれたブルー

恋に焦がれたブルー

宇山 佳佑

集英社

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作品紹介、あらすじ

靴職人を目指す高校生の歩橙は、同じ学年の青緒に恋心を寄せている。彼女はいつもボロボロのローファーを履き、友達も作らず、ひとりぼっちで笑顔を見せたことすらない。歩橙はそんな青緒に手作りの靴をプレゼントしようと思い立つ。「僕が作ります。あなたが胸を張って笑顔で歩きたくなる靴を」不器用に、真っ直ぐに、恋する気持ちを靴に込めようとする歩橙。そのひたむきな想いに触れて、青緒も次第に彼に惹かれてゆく。しかし二人を試練が襲う。彼を愛おしいと思う気持ちが、青緒の身体に耐えがたい痛みを与える不思議な病を発症してしまったのだ。歩橙の言葉が、愛情が、してあげることのすべてが、青緒の身体を焦がすように傷つけてゆく…。

感想やレビュー

久しぶりに泣いた。歩登とお父さんの最期の対話が泣けた。主人公二人の恋愛は、焦れったくて仕方なかった。

1

好きな人と居ると皮膚にあざができ死んでしまう。悩む話

伯母に虐げられ、従姉妹にはいじめられて、シンデレラに憧れる少女、青緒。しかし彼女の体は、恋をすると焦がれて痛むという残酷な病に蝕まれていた。 印象に残ったフレーズ 「親より幸せになりなさい」 母親を早くに亡くし、しかも、それが自分のせいだと知ってしまった青緒にとって、親より幸せになることは、戸惑いが大きかった。 そんな青緒に、この言葉をかけたのが、友達の父親、玄太だった。親というのは、子供の幸せが何よりの幸せなのだから、幸せになることが最大の親孝行だと気づかせてくれた。 この作品は、宇山佳祐の作品にしては珍しく、恋愛以外の「愛」が描かれている。 師匠が弟子を想うこと、親が痛みに耐えながらも子供を愛すること……。そのどれもが当たり前で当たり前ではないからこそ、切ない恋愛以外の部分で泣ける。 その後、青緒と歩燈はどうなっただろうか。この手の作品の中で意外なハッピーエンドを迎えたからこそ、末永く幸せでいてほしい。

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