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フォルトゥナの瞳

フォルトゥナの瞳

百田 尚樹

新潮社

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作品紹介、あらすじ

幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は友人も恋人もなく、自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり…。生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。

感想やレビュー

ある日突然、「人の死が見える能力」フォルトゥナの瞳を手に入れた木山慎一。彼は、年末に多くの人が列車事故で亡くなることを知り、我が身を犠牲にして人々を助けることを決める。 途中で黒川が言った、「人の運命は、神が決めることだから、人間が関わってはいけない」という言葉が印象的だ。 特に、黒川が助けた人物が、その後大きな事件を起こし、本来「奪われるはずのなかった」命が奪われたとき、強くそう思った。 それにしても、「人を救うと自分の命が削られる」という設定は残酷だと思った。だからこそ、慎一が、葵と幸せになりたいという自己と、人を救いたいという思いとの間で葛藤する気持ちも分かる。 また、葵が全て知っていたというのも驚いた。全てを分かった上で、自分を殺して、慎一の意向を尊重した葵が、一番切なく、素敵な人物だと思った。

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