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チェリーネネ🍒さんの感想、レビュー

田舎の町に暮らす三葉は、見知らぬ男の子になる夢を見る。東京に暮らす瀧も、山奥で暮らす女子高生になる夢を見る。 瀧は、会ったこともない高校生の三葉に惹かれ始め、ある日会いに行こうと思い立ち、三葉として見た風景だけを頼りに三葉を探すが、三葉が住んでいた町は、3年前の隕石の衝突によって滅んでいた。 最初は、物語が三葉視点か瀧視点かが掴みづらく読みにくかったが、最後の方にはどっちの視点でもなく、2人の視点が錯綜するような書き方で、引き込まれた。 「君の名は」は、瀧と三葉を繋ぐ唯一の言葉だ。三葉は瀧よりも3年早く生まれ、瀧との入れ替わりを経験していた。だから、三葉が瀧に会いに行こうとして東京を訪れたときは、瀧はまだ中学生。三葉のことなど知らないから、「不思議な少女」なだけだった。 しかし、三葉と入れ替わってから、取り戻したその時の記憶が、自分が3年前の山奥の町に生きていたことを確信させる。 このような、時間が違う系の小説は、「かがみの孤城」などのようにたまにあるが、これも見抜けなかった。 だから電話やメールが通じないんだな、と思わぬ伏線回収があって面白かった。

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