
バールの正しい使い方
青本雪平
徳間書店
作品紹介、あらすじ
転校を繰り返す小学生の礼恩が、行く先々で出会うクラスメイトは嘘つきばかりだった。なぜ彼らは嘘をつくのか。友達に嫌われてもかまわないと少女がつく嘘。海辺の町で一緒にタイムマシンを作った友達の嘘。五人のクラスメイトが集まってついた嘘。お母さんのことが大好きな少年がつかれた嘘。主人公になりたくない女の子がついた嘘。さらにはどの学校でもバールについての噂が出回っているのはなぜなのか。やがて礼恩は、バールを手にとるー。僕はバールを正しく使えたのだろうかー。小学四年生からの三年間で、少年は現実の残酷さと優しさを知る。
感想やレビュー
インパクト抜群の装丁から想像したものとは全く違う内容で肩透かしを喰らったが、いい意味で裏切られた。 最後のエピローグの後に慌ててプロローグを読み返し、してやられた感の中にも穏やかな読後感。作中の『バールのようなもの』の使い方が鮮やかだった。