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暗幕のゲルニカ

暗幕のゲルニカ

原田 マハ

新潮社

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作品紹介、あらすじ

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑶子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑶子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒涛のアートサスペンス!

感想やレビュー

ピカソの「ゲルニカ」が、世界的、全人類的にどんな意味を持つのか、何となくは分かっていたものの、ここまでハッキリとは認識していなかった。 「ゲルニカ」が描かれた経緯、それを守った人々の思い、後世に伝えていくことの意義… 武器よりも強い平和への思い。 現在に置いては、核と「ゲルニカ」を セットにして持たなければいけないと思う。「ゲルニカ」を繰り返さない為に、プーチンの様な習近平のような国家元首に言い聞かせる為に核を持っている、と示すべきだと感じた。 「ゲルニカ」をどこで保存するか、当時の美術関係の方々が苦心惨憺し、 レイナソフィア美術館に収めたことは 知っていたが、ここまでの深い意味を肌で感じることはなかった。 美術の持つ「力」を感じた。 それこそ人間にしかできない、人間にしか伝えられないことだ。

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幾百もの眠れない夜、白い鳩はいつも傍らで瑶子を見守ってくれた。元気を出して、負けないで、などと絵の中の鳩がかたってくれるはずもない。それでも、鳩は、ただ羽ばたいて、静かに主張していた。―私は飛ぶのだ、と。 誰の束縛も、制約も受けすに、私は自由に飛ぶのだ。 それが私の使命だから―。

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原田マハさんの楽園のカンヴァスがとてもよかったので、こちらも読んでみたいと思い、購入しました。 ストーリーとしては楽園のカンヴァスのほうが好きだったのですが、こちらを読んでからゲルニカが見たくてたまらなくなりました…。 ゲルニカはとても有名ですが、何故ゲルニカが生まれたのか、どういった背景のもと描かれたのか、全く知らなかったので、この本の中でそれを知ることができたのがよかったです。 物語としても面白いし、勉強にもなるし…原田マハさんはすごいです。

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