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瑠璃の雫

瑠璃の雫

伊岡 瞬

KADOKAWA

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作品紹介、あらすじ

母と弟の2人で暮らす小学6年生の杉原美緒。母はアルコールに依存し、親類に引き取られた美緒は心を閉ざしていく。そんな折、元検事の永瀬丈太郎という初老の男と出会う。美緒は永瀬の人柄に心を開いていくが、彼はひとり娘を誘拐されており、大きな心の傷を抱えていた。数年後、美緒は事件を調べ始め、余りにも哀しい真実を知るー。家族とは何か。赦しとは何か。今最も注目を受ける気鋭が贈る、感涙のミステリ巨編。

感想やレビュー

不幸な生い立ちの少女と、孤独な老人のお話。とにかく出てくる人の全てと言ってもいいくらいにみんなが何かしらの不幸を背負って生きています。 まずは少女が主人公で、これでもかというくらいの不幸なお話から始まります。その中で唯一の幸福とも呼べる老人との出会いがありますが、次がその老人の若い頃のお話になり、そこから一気にミステリになっていきます。 終盤にかけて、序盤の不幸話の鬱憤を晴らすかのように今までの謎がどんどん解けていきます。謎が解けるのもいいのですが、それと同時に、「赦す」ということが唯一の不幸を断ち切ることなのかな、とも考えさせられました。 正直、全体を通してみんなが不幸すぎて読むのもしんどいお話ではありましたが、内容にもかかわらず、すいすいと読ませてしまう作者の筆力は凄いと思いました。

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