二律背反
本城雅人
祥伝社
作品紹介、あらすじ
二十年ぶりのリーグ優勝を目前にするプロ野球・横濱セイバーズ。その快進撃の立役者である投手コーチ二見里志は、抑えの新田隆之介らの疲労管理に頭を悩ませ、リリーフ陣を酷使したがる辻原監督と衝突が絶えない。そんな里志のもとに、突然の訃報が届く。里志の現役時代の恩人であり、ある“罪”の発覚以来、球界を追放されていた盟友・檀野晋が亡くなったという。当初、自殺と思われていた事件は殺人と発表され…。
感想やレビュー
プロ野球を題材にした著者ならではのスポーツミステリ。コーチの苦悩だけでも作品になりうるが、そこに殺人事件をからめ、読み応え充分なものとなった。監督や他のコーチとソリが合わずに優勝できるのか?とツッコミたくなる部分も。ところで、タイトル「二律背反」はなんとも堅苦しい。文庫化の際は改題されるか?