ニックネームが設定されていませんさんの感想、レビュー
ニックネームが設定されていません
不可解な間取りの家にどのような真相があるのか読者を没入させる展開だった。 しかしその一家に伝わる因習があまりにも突飛で、かつ細かい設定にも疑問視する部分があり、読後のスッキリ感はあまりなかった。
雨穴
飛鳥新社
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全貌を100%理解できている気がしないけど、諸岡父の息子たちが仲良くしてる姿を見るのが何よりも幸せなことだったという発言が印象的だった。愛する息子2人がお互いを拠り所とし何よりも固い関係性で結ばれていることを実感できるのは親としては感無量なのだろう。また作中に出てくる大人たちが高校生をあらゆる危険因子から遠ざけ何よりも保護すべき対象と扱っていることが読んでいて心地よかった。成人年齢の引き下げ、選挙権の拡大など、10代後半を生きる人々を取り巻く環境は目まぐるしく変わってきているが、高校生は無条件に大人から守られ余計な心配も不安も抱かずに過ごしてほしいと思えるような年齢になったのか。
宮部みゆき
自分と似てるなーと思った。積極的に人と触れ合いたくないし、人からどう思われるか常に気にしてしまう。しかもちょうどひとり旅をした時期に読んだからわかるわかると頷きながら読める。あとがきにあった自分はもうどこへでも自由に自分のお金で行けるというひとり旅をした感想、私もそう思った今回1人旅して。
益田ミリ
からくりに気づいたときはページを遡る手が止まらなかった。素人だが途方もないことだというのはわかる。この決して多くない文量のなかに無数の伏線を張り巡らし、それらが一つ一つ繋がっていき、ハッと気がついたときの驚愕をもう一度記憶を消して味わいたいとさえ思う。
杉井 光
子どもならではの疑問や好奇心、悩みを瑞々しく描いてる。自分自身も人と少しでも違ったらどうしようと不安にかられるタイプだったので、著者の心情がよくわかった。また大人になってしまった今現時点から見れば、なぜそんなことをしたの?と言いたくなる子どもの行動にもその幼い知識ながらもきちんと考えた末の行動であることが多いのだろうなと感じる。純粋な無知や知的好奇心に端を発する行動を頭ごなしに叱られるのはやるせない気持ちになった気がするなと自身の幼少期を振り返った。
益田 ミリ