川っぺりムコリッタ
荻上 直子
講談社
作品紹介、あらすじ
川べりに建つハイツムコリッタ。家族も生き甲斐もなく、ひとりで生きたいと思っていたはずの「僕」は、図々しくて、落ちこぼれで、繊細で、人間らしいアパートの住人たちに囲まれ、少しずつ「ささやかなシアワセ」に気づいていくー。大ヒット映画「彼らが本気で編むときは、」「かもめ食堂」の監督が贈る、新しい「つながり」の物語。
感想やレビュー
底辺と感じられる人々の、小さな幸せのハナシ。主人公の青年がどう生きていくか、どうなるか気になって、イツキ読み。
映画の監督を務めた荻上さんご自身が書かれただけあってほぼ映画と内容は同じ…なのだけれど、そこはやはり小説作品なので、目に映るものがない代わりにより丁寧に文章で表現されていて、先に観た映画をよりしっかりと咀嚼することができた。映画ももちろんそうだったけど、死が常に漂うなかで食べることがクローズアップされていて、不思議な作品。