komemoryさんの感想、レビュー
komemory
三島由紀夫「豊饒の海」4部作を読んだなら本作も読むべし。戦闘機に取り憑かれた主人公の生涯。専門用語が多く出てくるも、主人公のマニアックぶりが却って物語に没頭させてくれる。
佐藤 究
河出書房新社
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誘拐事件であって誘拐事件でない。予想を覆される究極のサスペンス。前半は背筋が寒くなるほど恐ろしい描写が続き(カミーユのキャラがそれを和らげてくれるが)、後半の取調べシーンはもう目を離すことができないほど物語に没頭してしまった。数々の賞を獲っただけのことはある。このシリーズはコンプリートしてみたくなること必至。
ピエール・ルメートル/橘 明美
三内丸山遺跡、前方後円墳、五重塔……古代の技術者の技と知恵に感服。特に前方後円墳のあの形にはそういう意味が!?と改めて納得! また、古代からの超技術、職人技が消えようとしていることに危惧を覚えるのにも共感。「効率化」「経済性」の向上は必ずしも喜ばしいことではないのである。
志村 史夫
著者は専門家ではないため推測の域を出ないが、数々の古代遺跡の作られた背景を推理していくのは大変面白く、目から鱗状態である。金属文明が人間を劣化させたという一文が印象的。
史実とフィクションを巧みに織り交ぜたスリリングでさえあるアートミステリ。ゴッホ他殺説に真実性さえ感じさせる。
原田 マハ