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チェーン・ポイズン <新装版>

チェーン・ポイズン <新装版>

本多 孝好

講談社

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作品紹介、あらすじ

「その自殺、一年待ってくれませんか?」自らの命を絶つことを決意したOLの元に、「死のセールスマン」から、とある取り引きが持ちかけられた。自殺志望者に届いたメッセージを調査すべく、記者の原田が動き出す。「それなりの人生」はつまらないのか。著者の新境地を切り開いた、驚愕のどんでん返しミステリー。

感想やレビュー

久しぶり読んだ本多孝好さんの作品。『1年後に楽に死ねる薬をお届けします。』と言う言葉にカレンダーに×印をつけながら1年生きながらいる女性。聴覚を失いつつある天才バイオリニスト。狂った犯人に妻子を奪われた男。そしてその毒を届ける女性本人。3つの服毒自殺の関係性に気付き真相を追う週刊誌記者、1年後の『穏やかな死』を糧に生きる女性の高野章子と槙野悦子の2視点で描かれたミステリー。 この話は牧村と記者のふたりの話で高野と記者ではない。 🈁がトリック! 高野が死を選ぶまでの話でなく、牧村が生を選ぶまでの物語。 そして高野の死に思いをはせる物語。 気持ち良く綺麗に騙された。 やはり本多孝好さんの作品は面白い。そしてドラマになるなら、槙野悦子は『江口のりこ』がハマリ役! 追記 緩和ケアの院長の言葉が心に残った。 『人はみな孤独です。誰だって一人分の孤独を抱えてる。そんなものに重いも軽いもない。等しく一人分の孤独を、みんな抱えてるんですよ。一人分の孤独になら耐えられる。そういう耐性を人間は備えているはずです。』

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