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万国お菓子物語 世界をめぐる101話

万国お菓子物語 世界をめぐる101話

吉田 菊次郎

講談社

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作品紹介、あらすじ

たかがお菓子というなかれ!政略結婚によってフランスへ伝わったマカロン、参拝記念として配られたレープクーヘン、名称をめぐり裁判にまで発展したザッハートルテ、大航海時代にポルトガルからはるばる日本までやってきたカステーラ…。名店「ブールミッシュ」の創業者が豊富な知識と文献から読み解いた世界をめぐる、お菓子一〇一の誕生秘話。

感想やレビュー

90点 101つのお菓子について1つずつ2P程度で起源や由来、特徴を紹介している。 お話の最後に筆者の感想や意見が述べられていて、これが非常に面白い。 言葉のセンスは勿論、筆者の頭の中がダイレクトに分かるようで、毎回クスっと笑ってしまう。 気になったエピソードを備忘録として記載する。 18:ムース 仏のミッテラン大統領の時代に社会主義政権が誕生し、労働時間短縮が叫ばれるようになった。しかしお菓子職人はそうはいかなかったが、急速冷凍の技術(ショックフリーザー)の導入により通常よりもこらせてしまった方がより新鮮でたべられることが分かった。この急速冷凍の最もてきしたのがムースであり、これを機に世界に広まっていた。 19:シュー・ア・ラ・クリーム シュークリームは和製英語。これで頼むと靴墨がくる。 22:クロカンブッシュ フランスのお菓子で、一口サイズのシューを積み上げた飾り菓子で国の代表。結婚式やコンクールで使用される。セレモニー終了後、ハサミで場バリバリと切りわけ、1人につき約3~4個配られる。喜びを分かちあうと意味がこめられているそう。因みにフランスでは、結婚式で花嫁のヴェールも切るそうな… onepieceのビッグマムの章でも登場した。 26:ガレット・デ・ロワ パリではクリームの中にフェーブと呼ばれる陶器の小さな人形を忍ばせ、切り分けた時に当たった人は周囲の祝福を受けるという。1/2~1/8の中の日曜日に行われている。フェーブは起源古代ローマ時代に投票でそら豆が使用された習わしがキリスト教が広まった時にこのお菓子に引き継がれ、布教の手助けをした。今日では宗教的な意味合いは希薄化し、単に楽しんで食べられている。 47:ザッハトルテ ホテル・ザッハーとデメルがお互い差し止めを求めて裁判となり、7年の月日をかけ、ホテル・ザッハーがオリジナル・ザッハトルテの名称を得て、デメルでは単にザッハトルテとして売るようにとの判決が下った。中にはほぼほぼ同じ。 57:ビスケット 二度焼きのパンの意。英西戦争の際に勝ち目がないとされていた英国は、スペインには船に積み込む食糧に限りがあったのと打って変わってドレークは沢山ビスケットを船積みしていた。これが勝利の一因といわれている。ビスケットは場所を取らず日持ちする故、兵糧として最適だった。 59:パウンドケーキ バター・砂糖・卵・小麦粉の配合が1:1:1:1であり、1ポンドずつ仕込んでいたつまり、ポンドのお菓子、パウンドのお菓子、パウンドケーキとなったらしい。英国では、ローフケイク、フランスではケイクと呼ぶ。 78:ショートケーキ 日本にしかないケーキ。昭和6年頃、門倉國輝という方が販売した。多説として不二家がり、アメリカ研究にいそしんでいた彼らがアメリカにあるストロベリーショートケイクというビスケットと生クリームのお菓子に目を付けて作成したという説。また、ショートという言葉は本来サクサクという意味があり、クッキー状のお菓子を指す。英国でショートケーキを頼むとクッキーやビスケットの形状でくるそう。

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