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護られなかった者たちへ

護られなかった者たちへ

中山 七里

NHK出版

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作品紹介、あらすじ

仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実ー。

感想やレビュー

護られない人がいる世の中であることを突きつけられる本だった。けいさんの言葉が好き。 人から受けた恩は別の人間に返しな。でないと世間が狭くなるよ。厚意とか思いやりなんてのは、一対一でやり取りするようなもんじゃないんだよ。それじゃあお中元やお歳暮と一緒じゃないか。してもらったことが嬉しかったのなら、同じように見知らぬ他人に善行を施すのさ。そういうのがたくさん重なって、世の中ってのはだんだんよくなっていくんだ。でもね、それは別に気張ってするようなことでも、押し付けてするようなことでもないから。機会があるまで憶えておきゃあ、それでいい。

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