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それを世界と言うんだね

それを世界と言うんだね

綾崎 隼/花譜

ポプラ社

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作品紹介、あらすじ

記憶を失ったまま、薔薇の花畑で目覚めた少女。視界の先には白い小城ーそこは、物語に登場するキャラクターたちが暮らす、“物語管理局”。自分の正体を突き止めるため、少女は「王子」と呼ばれる少年と「マッチ売りの少女」「裸の王様」など物語の世界へと飛び込むが…?読者から募集した物語をカンザキイオリが楽曲化し、「それを世界と言うんだね」(歌・花譜)を綾崎隼が小説にした傑作!!

感想やレビュー

少女が目覚めたのは、「物語で不幸になった者」だけが辿り着く「物語管理局」。彼女はそこで、「物語管理官」として、不幸になった登場人物を救っていく。 印象に残ったフレーズ 「物語は人を幸せにする。ただ、作中の登場人物も同じであるとは限らない。主人公が幸福な結末を迎えても、すぐ近くに不幸になってしまった者がいる場合だってある」 私自身も小説が好きなこともあって、この考え方に共感した。自分は主人公の気持ちに共感して幸せを感じていても、その周りもみんな幸せだとは限らない。 みんなを平等に幸せにする物語を作るのは難しいと思う。大体は誰かの不幸があって、その上で他の人の幸せが成り立っているのだから。 でも、それが世界の摂理だと思う。ある時は誰かの不幸の上に自分の幸せがあって、またある時は誰かのために自分の幸せを犠牲にする。そうやって少しずつ妥協しあって生きていくことが大切だと思う。

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