鬼千世先生 手習い所せせらぎ庵
澤見彰
祥伝社
作品紹介、あらすじ
天明の浅間山噴火から四年。火砕流が襲った村の生き残りの少年平太は、声を失い、勘定奉行根岸鎮衛に江戸へ連れてこられた。預けられたのは「せせらぎ庵」という名とは裏腹に、「鬼」と恐れられる師匠千世のいる手習い所だった。そこへ噴火の被災者を厄介者と中傷する家族が現れる。すると鬼千世先生は…。熱血師匠と筆子の心温まる交流を描いた傑作人情小説。
感想やレビュー
手習い所「せせらぎ庵」が舞台の時代小説。 他の手習い所でドロップアウトした筆子たちが集うせせらぎ庵は、さながら江戸時代のフリースクール。この発想は新しい。 師匠の千世先生が、旗本の未亡人ながら、大酒飲みで薙刀を振り回す猛女。なかなか一筋縄ではいかないお方である。 天災で孤児になった平太も健気で応援したくなる。
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