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隠居おてだま

隠居おてだま

西條 奈加

KADOKAWA

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作品紹介、あらすじ

老舗糸問屋・嶋屋元主人の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う?

感想やレビュー

糸屋嶋屋の隠居、徳兵衛のセカンドライフを描くシリーズ第二弾。 徳兵衛は吝嗇で気難しいところもある老人だが、それを回りの人間が万事飲み込んで、うまく転がす様が、ユーモアたっぷりに描かれていて面白い。 とはいえ、今回はそのことが最後に大きな事件につながり、なかなか大変なことになってしまうのだが。 徳兵衛を転がす側の驕り、それによるしくじりがしっかり描かれていることで、物語が引き締まった。 登場人物が多いので、巻頭の主要登場人物一覧がありがたかった。

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