komemoryさんの感想、レビュー
乱歩と横溝を中心にノンフィクションとフィクションを織り交ぜ、二人の作品の特徴を活かしたようなミステリ作品。2人が現実に起きたかのような事件に巻き込まれるスリリングなストーリーになった。本作のトリックはまさに両者の作品を足して2で割ったような、いわば1冊で2度美味しいものになったような気がした。乱歩と横溝の世界観をうまく残したまま著者独自の作品のストーリーがハマっていたように思う。また、終章は2人の半生と作品の歴史を復習するような内容にもなっており、最後まで楽しめた。