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愚行録

愚行録

貫井徳郎

東京創元社

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作品紹介、あらすじ

ええ、はい。あの事件のことでしょ?-幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。確かな筆致と構成で描かれた傑作。『慟哭』『プリズム』に続く、貫井徳郎第三の衝撃。

感想やレビュー

他人への評価なんてその人の主観が多く含まれることで多様なものとなる。 読むごとに一家の人物像が完成されていって読み込んでしまう、そんな小説だった。

2

誰もが羨む、幸せそうな肩書を持つ一家を襲った事件。 容姿が美しく、いつでも余裕そうな妻とその取り巻きたちの必死な人間関係が読み取れて行くにつれて自身苛立ちを覚えました。 この妻のように誰もが憧れるような人に、私はなれなかった。取り巻き同様、憧れ、妬み、泡良くば勝ちたいという思いに駆られました。 人間のくだらない見栄や欲が丁寧に、濃く描かれている作品です。 最後の結末は、呆気ないような気もしましたが、何もかもが上手く行く女が殺されて清々した自分がいます。

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