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記憶屋0

記憶屋0

織守きょうや/loundraw

KADOKAWA

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作品紹介、あらすじ

つらい記憶を消してくれる都市伝説の怪人「記憶屋」。それに頼ることを選んだ彼らはどんな想いを胸に抱えていたのかー。弁護士の高原は、過去の交通事故の記憶に苦しむ依頼人・美月と出会う。支え合って生きてきた恋人との未来のために、美月は真剣に記憶屋を探していた。その実在に半信半疑でいた高原だったが、自身も病院である宣告を受けてしまい…。泣けるほど切ない「記憶」をめぐる物語、待望のスピンオフ作品集!

感想やレビュー

記憶屋IからⅢのスピンオフ作品。 印象に残ったフレーズ 「過去を捨てたくて、昔の自分を知っている人がいないところまで逃げてきたのに……自分の記憶からは逃げられないんです。全部捨てて、後は自分の中にある記憶だけなのに、それが邪魔をして、幸せになれない」 「けれど、だからこそ-今日一日くらいは落ち込んでもいいだろう」 一つ目は、過去に巻き込まれた交通事故の、被害者と加害者の兄という立場にある2人が駆け落ち同然に逃げてきた街で、出会った弁護士、高原に告げた言葉。記憶屋を本気で探す妻と、過去の事故の罪悪感に苛まれる夫、2人の思いがひしひしと伝わってきて、苦しかった。 二つ目は、病気を宣告された高原が、自分のイメージを壊さないために、最期のときまで強く生きることを決意し、一方で、宣告されたその日だけは落ち込ませてくれと、自分に許しを求める言葉。周りに造られたイメージを壊さないことは、時として自分の感情をコントロールし、悲しみや苦しみを見せないことにもなる。高原も、苦しかったと思う。 1からⅢを全て読んでからこれを読んだから、全部が繋がった感じがした。時系列で言うならこれが一番最初。戦後まもない頃だ。一番最後に、この時の主要人物、慎一の孫として、真希が登場する。Iで出てきた、真希の記憶を消した記憶屋は、慎一だ。それから時が経ち、真希の従兄弟として夏生が出てくる。夏生がどんな経緯でこの能力を手に入れたのかは謎だが、能力に苦しみ、悩む夏生を献身的に支えたのは真希だ。 このように、シリーズものが完結し、全ての話が気持ちよく繋がる瞬間が、たまらなく好きだ。

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