Bookstand
Bookstand
凶笑面

凶笑面

北森鴻

新潮社

Amazonで詳細を見る

作品紹介、あらすじ

“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてからー(表題作)。暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する…。那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。本邦初、民俗学ミステリー。全五編。

感想やレビュー

北森鴻「凶笑面」読了。というか再読。 この本は蓮杖那智フィールドファイルシリーズの第1作で、民俗学をもとにしたミステリー。 民俗学者である蓮杖那智が相棒?の内藤と共に、 民俗学のフィールドワークをするなかで、さまざまな事件に巻き込まれていくという連作短編。 今回は 鬼封会(きふうえ) 凶笑面(きょうしょうめん) 不帰屋(かえらずのや) 双死神(そうししん) 邪宗仏(じゃしゅうぶつ) の5つの短編。 この中の双死神がこないだ読んだ 冬狐堂シリーズの「狐罠」で話がつながっていると書いていたので気になって最初から読み直してみたというわけ。 たしかに内藤からみた狐罠だ。なるほど、おもしろいなあ。そして税所コレクションはまだ続きがあるとな。こりゃ全部読み返してから続きを読まねばだ。ふむふむ。 そして読み直してやはり、 このシリーズは好きだ。まあもともと民俗学とか好きだからこのシリーズが好きにならないわけがないんだけどね。 5つの中では邪宗仏が好きかな。 「聖徳太子はキリストだった」という蓮杖那智の呟きから始まるお話。諸星大二郎の生命の木を彷彿とさせるお話。一番最初のページに「諸星大二郎先生の妖怪ハンターに捧ぐ」との言葉があるので確実に生命の木を意識してるとは思う。蓮杖那智は短髪の女性なのになぜか稗田礼次郎の容姿を想像してしまうのもそのせいだろな。

App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう