Bookstand
Bookstand
願うなら、星と花火が降る夜に

願うなら、星と花火が降る夜に

いぬじゅん

LINE

Amazonで詳細を見る

作品紹介、あらすじ

浜松に住む女子高生・亜紀のもとに、一年前に事故死した姉・春香からLINEが届く。仲違いしたまま死んでしまった姉に複雑な気持ちを抱えていた亜紀は、たびたび届くLINEのメッセージを無視していた。そんなある日、東京で暮らしていた春香のルームメイトだったという女性・奈津が亜紀の家に居候することに。嫌々ながらも奈津と過ごすうちに、忘れようと封じ込めていた春香との思い出を少しずつ取り戻していく亜紀だったが、奈津が突然姿を消したうえ、誰も彼もが奈津など知らないと言いはじめ…!?

感想やレビュー

高校生の亜紀は、一年前に仲違いしたまま死んでしまった姉を許せずにいた。 そんな最中、突然姉を名乗る人物からLINEが届く。また、姉、春香のルームメイトだったという奈津が、亜紀の家に居候することに。奈津と過ごすうちに、封じ込めていた思い出の扉をこじ開けられ、春香との思い出を取り戻していく。 この本を読みながら、私は号泣してしまった。亜紀の、「奈津の言っていることは正しいと思うけれど、姉との思い出を振り返るのは怖い」という気持ちが痛いほど理解できたし、それが家族や奈津本人に理解されない孤独さ、苦しみもよく伝わってきた。 私も、自分自身の考え方が人に伝わらない孤独さを感じているからこそ、亜紀の苦しみが共鳴して、ここまで心を動かされたのかな、と思う。 印象に残ったフレーズ 「時間は二度と戻ることはなく、これも幻になってしまうの?」 亜紀と春香の心の叫びだと思う。 亜紀は、春香を傷つけた罪悪感にずっと支配されていたけれど、本人に直接会って、きちんと謝って、「心の手当て」ができた瞬間だ。 春香も春香で、「絶対に守る」と約束した最愛の妹を傷つけたことがずっと心残りだった。でも、花火を見ながら亜紀が許してくれたことを悟り、「本当に幸せな夢だった」と語っている。 やっと分かり合えたのに、春香はもうこの世にいない。「この時間がずっと続けばいいのに」後から振り返れば、きっとこと体験すらも「夢」「幻」と言われてしまう。それが苦しかったのだと思う。 この本の中で、亜紀は、春香とわかり合っただけでなく、父親や、妹の冬音とも分かり合えたと思う。特に父にも、同じように悲しみの根源を無かったことにして、きちんと向き合わなかった経験があって、だからこそ心の底から、亜紀の気持ちがわかるというのが驚いた。 誰でも、表に見えているものが全てではないから、きちんと向き合って、時にぶつかり合うことが必要なんだな、と感じた。

ネタバレを読む
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう