本売る日々
青山 文平
文藝春秋
作品紹介、あらすじ
本を行商して歩く私が見たものは、本を愛し、知識を欲し、人生を謳歌する人びとだった。
感想やレビュー
国学書や医学書などの専門書を扱う江戸時代の本屋の話。 書物が貴重だった時代の商いの仕方や いつも時代も本を好み、大事にする人は変わらないと、改めておもった。
此れは良い本であった。最後の「医は一人では前へ進めません。皆が技を高めて、全体のすいじゅんが上がって、初めて、その先へ踏み出すものがでるのです。そのためには、みんなが最新の成果を明らかにして、みんなで試して、互いに認め会い、互いに叩きあわなければなりません。それを繰り返しているうちに気がつくと、みんなで遥か彼方に見えた高みにいてふと、見上げると、もう何人かは、それよりさらに、高いところにいることぬるのです。一人で成果を抱え込むのではなく」