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17歳のラリー(1)

17歳のラリー(1)

天沢 夏月

KADOKAWA

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作品紹介、あらすじ

「七月くらいにいなくなるわ」十七歳の春。海外への留学が決まったという三年生のエース・川木の一言が、平凡な都立高校テニス部にさざ波を立てる。絶対的な才能を持つ彼に対し、抱えていても言い出せなかった仲間達の劣等感、葛藤、嫉妬、恋慕…。そして部を去ることを決めた、川木自身の本音。積み重なった様々な想いは、やがて最後の夏を前に連鎖的に爆発していく。高校三年生の等身大を鮮やかに描き出した青春群像。

感想やレビュー

平凡な都立高校のテニス部のエース、川木が、七月ぐらいにアメリカに行くことになった。インターハイにも、都立対抗戦にも出られないという。彼の才能は、テニス部の部員にさまざまな思いを持たせる。嫉妬、恋慕、劣等感……なかなか受け入れられない人もいれば、あっさりした人もいる。おたがいの意見がぶつかり、夏に爆発して大きな感動を呼ぶ。等身大の主人公たちの姿に共感できる、青春小説! 印象に残ったフレーズ 「勝手に私に夢見るな、って思っていた。でも夢を見てもらえた。それだけの力があると信じてもらえた-それはきっと、『勝手』な思いからは生まれない」 期待とは、時に人を苦しめるものだ。私自身もたまに、人からの期待に押しつぶされることがある。期待してくれる人を恨むこともある。これを言った、日々乃と同じだ。 けれども、期待されているということは、それだけ自分のことを信じてくれているということだ。期待しないで、と、時には思うけれど、人が信じた自分の実力というのは、自分自身も信じていいものかもしれない。 期待してくれるのは、愛情の裏返しだ。感謝して、期待に応えられるよう頑張りたい。

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