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さんかく

さんかく

千早茜

祥伝社

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作品紹介、あらすじ

「おいしいね」を分け合えるそんな人に、出会ってしまった。古い京町家で暮らす夕香と同居することになった正和。理由は“食の趣味”が合うから。ただそれだけ。なのに、恋人の華には言えなくて…。三角関係未満の揺れ動く女、男、女の物語。

感想やレビュー

「食の好みが合う」というだけで同居を始めた、高村と伊東。しかし伊東には恋人がいて、高村も、妻子持ちの男性と関係を持っている。伊東の恋人、華は、オシャレよりも、恋人よりも研究を優先させる性格だ。 そんな一癖も二癖もある、3人の登場人物が織りなす、三角関係のようでそうではない複雑な物語。 食べ物の描写がうまいと思った。読んでいても、人物たちと一緒にお腹が満たされるような感じがした。 特に伊東の人物像が、見る人によってとても共感できたり、また腹が立ったりした。 華や高村の視点から見ると、伊東は優柔不断で、華との関係も、高村の関係も中途半端にしている気がした。しかし、同じ場面でも伊東の立場から見ると、葛藤などが理解できて、不思議なものだと思った。 最後は、華が自分の気持ちを伊東に爆発させたことで物語が収束した。 私は、ついつい人が動いてくれるのを待ってしまう。だから、華のように、自分の気持ちをきちんと伝えることができる人は尊敬する。自分も、華のように、自分の気持ちを少しでも伝えられるようになりたい。

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